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2008 年度 実績報告書

ショウジョウバエ成虫脳の発生における同心円ゾーンと細胞移動による神経回路形成機構

研究課題

研究課題/領域番号 20021006
研究機関金沢大学

研究代表者

佐藤 純  金沢大学, フロンティアサイエンス機構, 特任准教授 (30345235)

キーワード脳・神経 / 神経科学 / 発生・分化 / 遺伝学 / 遺伝子 / ショウジョウバエ / 視覚系 / メダラ神経節
研究概要

ショウジョウバエ視覚中枢のメダラ神経節は幼虫期において保存された4種の転写因子の発現によって同心円状に区画化される。これらの転写因子によって規定される個々の神経細胞の移動パターン・投射パターンを明らかにするため、相同組み換え・エンハンサートラップなどの方法を駆使してそれぞれの遺伝子の発現を再現するGal4系統の作製を試みた。Gal4の標的配列であるUAS下流でGFPを発現させ、モザイク解析を組み合わせることによって個々の神経細胞の形態を調べたところ、4種の転写因子のうちDrfを発現するメダラ神経細胞については(1) 少なくとも約60種存在するメダラ神経細胞のうち、9種の神経細胞を構成すること、(2) 細胞体の位置がバラバラであっても、高次の神経節であるロビュラの第1層および第4層特異的に投射すること、(3) ロビュラに至る投射は幼虫期においてすでに見られることがわかった。Drf陽性メダラ神経細胞は幼虫期において最終的な標的の近くまで投射した後、蛹期に細胞体の位置を大幅に変化させると考えられる。この細胞移動に重要な意味があるならば、細胞体の移動パターンと神経細胞の種類・転写因子発現の間には何らかの相関関係があるはずである。実際、成虫においてDrf陽性神経細胞のうちあるサブタイプについては細胞体が必ず脳の最も外側の領域に位置し、他のサブタイプについては脳のより内側というように、神経細胞の種類と細胞体の位置には強い相関があることがわかった。また、4種の転写因子のうちBshを発現するメダラ神経細胞は幼虫期には脳の内側に位置するが、蛹期の細胞移動によってかならず脳の最も外側の領域に移動することがわかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Drosophila optic lobe neuroblasts triggered by a wave of proneural gene expression that is negatively regulated by JAK/STAT2008

    • 著者名/発表者名
      八杉徹雄、梅津大輝、村上智史、佐藤純、多羽田哲也
    • 雑誌名

      Development 135

      ページ: 1471-1480

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Larval cells become imaginal cells under the control of homothorax prior to metamorphosis in the Drosophila tracheal system2008

    • 著者名/発表者名
      佐藤純、北田祐介、多羽田哲也
    • 雑誌名

      Developmental Biology 318

      ページ: 247-257

    • 査読あり
  • [学会発表] 発生過程のショウジョウバエ視覚中枢を区画化する遺伝子ネットワークの解析2008

    • 著者名/発表者名
      長谷川恵理, 北田祐介, 多羽田哲也, 佐藤純
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2008-12-09
  • [学会発表] 発生過程のショウジョウバエ視覚中枢において同心円状に発現する転写因子群の機能解析2008

    • 著者名/発表者名
      北田祐介, 長谷川恵理, 田井美也子, 多羽田哲也, 佐藤純
    • 学会等名
      第31回白本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2008-12-09
  • [学会発表] Concentric zones, cell migrations and neuronal circuits in the Drosophila brain2008

    • 著者名/発表者名
      佐藤純、北田祐介、田井美也子、梅津大輝、多羽田哲也
    • 学会等名
      第41回日本発生生物学会大会
    • 発表場所
      徳島
    • 年月日
      2008-05-27
  • [備考]

    • URL

      http://fsosato.w3.kanazawa-u.ac.jp/index.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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