• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

機能的神経回路の可視化

研究課題

研究課題/領域番号 20021021
研究機関神戸大学

研究代表者

山口 瞬  神戸大学, 医学研究科, 准教授 (70304087)

キーワード神経回路 / 蛍光蛋白質 / トランスジェニックマウス / 可視化
研究概要

記憶・学習を始めとして多くの脳機能では、それを担う神経回路が十分に分かっていない。本研究では、記憶・学習や種々の感覚情報処理によって神経細胞に誘導されるArc遺伝子の発現を指標として、作業記憶と関係した神経回路を明らかにした。研究代表者らが開発したArc-dVenusマウス(Arc遺伝子プロモーター制御下で分解促進型蛍光蛋白質dVenusが発現するトランスジェニックマウス)に空間作業記憶の課題を行わせると、dVenus陽性の海馬歯状回顆粒細胞が増加した。また空間作業記憶に障害の見られるalpha-CaMKllヘテロノックアウトマウスとArc-dVenusマウスを掛け合わせたマウスでは、海馬歯状回顆粒細胞層で著明な蛍光の低下が見られた。これらの結果は、空間作業記憶において海馬歯状回顆粒細胞が重要な役割を担っていることを示唆する。次にわれわれは、1個体のマウスの海馬歯状回全体でArc遺伝子の発現パターンを観察する方法を開発した。まずArc-dVenusマウスの歯状回を吻側端から尾方端に至るまで冠状断スライス(0.5mm厚)で切り分ける。次にそれらのスライスに対してグリセリンによる透明化処理を行い、さらに封入後、共焦点レーザー顕微鏡で全てのスライスの全層を撮影する。この方法を用いることで、1個体の海馬歯状回全体におけるArc遺伝子の発現パターンを容易に解析できるようになった。またわれわれは、レポーター遺伝子にArc遺伝子の非翻訳領域をつなげたトランスジェニックマウスを解析し、Arcの非翻訳領域がmRNAの迅速な分解と樹状突起への輸送に寄与することを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Neural activity changes underlying the working memory deficit in alpha-CaMKII heterozygous knockout mice2009

    • 著者名/発表者名
      Matsuo, N., et al.
    • 雑誌名

      Front Behav Neurosci. 3(20)

      ページ: 1-10

    • 査読あり
  • [学会発表] 機能的神経回路の可視化:Arc遺伝子を用いた蛍光イメージング2009

    • 著者名/発表者名
      江口恵, ら
    • 学会等名
      平成21年度特定領域研究「統合脳」冬の合同班会議
    • 発表場所
      学術総合センター(東京都)
    • 年月日
      20091218-20091219
  • [学会発表] 機能的神経回路の可視化2009

    • 著者名/発表者名
      山口瞬
    • 学会等名
      平成21年度特定領域研究「統合脳」冬の合同班会議
    • 発表場所
      学術総合センター(東京都)
    • 年月日
      2009-12-18
  • [学会発表] 機能的神経回路の可視化:海馬全領域の蛍光イメージング2009

    • 著者名/発表者名
      江口恵, ら
    • 学会等名
      平成21年度特定領域研究「統合脳」夏の合同班会議
    • 発表場所
      ウェルシティ札幌(北海道)
    • 年月日
      2009-08-12

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi