研究概要 |
これまでの解析で無軸索ニューロンであることを明らかにした外網状層カルシウム結合蛋白parvalbu min (PV)含有介在ニューロンの突起が化学的構成の面から、従来の樹状突起と同様であるのか軸索的な性質も有しているのかについてニューロフィラメント・MAPIIについて検討を加えた。残念ながらこの両者ともこの問題に解答を与えるだけの明確な分布を示さなかった。一方、別のカルシウム結合蛋白calbindinD28k陽性ニューロンについて形態学的詳細の解析を進めた。Calbindin陽性ニューロンは極めて多様であり、各層に分布していた。糸球体層の細胞は小型でperiglomerular cellsと考えられた。一方、これまでほとんど報告されていなかった外網状層にかなり多数の小型のCalbindin陽性ニューロンが存在した。これらは以前報告したPV含有介在ニューロンに類似しているものもあったが、多重蛍光免疫染色では明らかに異なる群であることが示された。また、PV含有介在ニューロン同様、明らかな軸索を有してないものもあったが、PV含有介在ニューロンと異なり、Naチャネル、ankyrinG, βIV-spectrin陽性のいわゆるhot spotsは突起上に観察できなかった。一方、多数の大型のニューロンが主に、内網状層、顆粒細胞層に見られたが、これらは明確に区別できる樹状突起と軸索突起を有しており、軸索突起初節部にはNaチャネル、ankyrinG, βIV-spectrinが局在していることが確認できた。
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