• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

発声学習臨界期制御に関わる遺伝子群の脳内機能

研究課題

研究課題/領域番号 20022001
研究機関北海道大学

研究代表者

和多 和宏  北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 准教授 (70451408)

キーワード発声学習 / 学習臨界期 / 遺伝子発現 / 発声行動 / 神経可塑性 / 動物行動 / 個体差 / ソングバード
研究概要

本研究の目的は音声発声学習の臨界期制御に関わる遺伝子群を明らかにし、その脳内機能を実験的に検証していく手立てを確立することにある。音声発声学習では「声を出す」という自発的行動が、脳内分子レベルにおいても重要な意味をもつと考え、これまでに鳴禽類ソングバードの発声行動により発現誘導される40にも上る遺伝子群の網羅的な同定してきた。当該年度においては、さらに[発声行動依存性]+[神経回路特異性]+[学習臨界期間限定性]を兼ね備えた遺伝子群が存在することを明らかにし、ソングバード脳内神経核で、各々の脳部位特異的に多段階発現(時空間)制御を受けた発現制御を同定してきた。これまでの脳内発現パターンの検証から、特にEgr famiyの神経活動依存的な脳内遺伝子発現ダイナミクスは非常に興味深いと考えている。Egr familyはこれまでの哺乳類を用いた研究において、海馬での長期増強や空間学習・記憶形成に重要な転写因子ファミリーとして知られる。ソングバード脳内でそのEgr familyの一つの発現誘導制御に、[発声行動依存性]+[神経回路特異性]+[学習臨界期間限定性]とさらに日内制御が関わっていることを示唆するデータを得た。これは、音声発声学習効率の概日リズム(一日のなかで学習効率が変わる)の存在に関わる知見になる可能性がある。
また、[発声行動依存性]+[神経回路特異性]+[学習臨界期間限定性]を兼ね備えた遺伝子群の脳内機能を見るべくレンチウイルスを用いた遺伝子発現系の実験を開始している。同時に、上記に述べたように、脳内遺伝子群の発達段階.環境に即した多段階発現(時空間)制御を受けた発現制御こそが出力行動の質を与える物質的基盤ではないかとの作業仮説に、時空間制御が可能なレンチウイルス発現系の確立も進めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Molecular Mapping of Movement-Assodiated Areas in the Avian Brai n : A Motor Theory for Vocal Learning Origin2008

    • 著者名/発表者名
      Feenders G, Liedvogel M , Riv as M , Zapka M, Horita H, Hara E, Wada K, Mouritsen H, & Jarvis ED
    • 雑誌名

      PLoS ONE 3

      ページ: e1768

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Early onset of deafning-induced song deterioration and differential requirements of the pallial-basal ganglia vocal pathway2008

    • 著者名/発表者名
      Horita H, Wada K, & Jarvis E D
    • 雑誌名

      European Journal of Neuroscience 28

      ページ: 2519-2532

    • 査読あり
  • [学会発表] 聴覚剥奪した小鳥の囀り発達変化2008

    • 著者名/発表者名
      森千紘、和多和宏
    • 学会等名
      日本動物行動学会
    • 発表場所
      金沢
    • 年月日
      2008-09-26
  • [学会発表] 小鳥の囀り学習における種特異的拘束2008

    • 著者名/発表者名
      今井礼夢, 和多和宏
    • 学会等名
      日本動物行動学会
    • 発表場所
      金沢
    • 年月日
      2008-09-25
  • [学会発表] 発声行動依存的に誘導される遺伝子発現ダイナミクス2008

    • 著者名/発表者名
      和多和宏
    • 学会等名
      日本遺伝学会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2008-09-04

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi