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2009 年度 実績報告書

抑制性神経前駆細胞の実体解明と神経分化におけるノッチシグナルの役割

研究課題

研究課題/領域番号 20022013
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

田中 光一  東京医科歯科大学, 大学院・疾患生命科学研究部, 教授 (80171750)

キーワード小脳 / 抑制性ニューロン / 発達 / ノッチ / 神経前駆細胞
研究概要

Notchシグナルは細胞の運命決定に重要なシグナルであり、しかも発現する細胞・時期により異なった機能を果たすことが示唆されている。神経幹細胞においてNotchシグナルは、神経幹細胞の未分化性を維持し神経細胞への分化を抑制していることが知られている。しかし、神経細胞へ運命決定された神経前駆細胞におけるNotchシグナルの機能に関しては、不明である。
我々は、小脳においてアストログリア細胞と分子層に存在する抑制性介在神経細胞である籠細胞、星状細胞の前駆細胞にCre酵素が発現する遺伝子改変マウスを用いてアストログリア細胞、籠細胞、星状細胞からNotchシグナル(RBP・J)を欠損したマウスを作製した。その結果、グリア細胞においては、Notchシグナルがバーグマングリアの層形成に重要な役割をもつことを明らかにした。さらに、この変異マウスの小脳において、籠細胞、星状細胞が消失していた。
小脳において、分子層に存在する籠細胞、星状細胞は、小型のPax2陽性神経前駆細胞から産生されることが知られている。また、最近、生後間もない小脳において小型Pax2陽性神経前駆細胞になる前に、Pax2陰性の神経前駆細胞が存在していることが予想されているが、その実体は不明である。
この変異マウスの詳細な解析により、変異マウスにおいて小型Pax2陽性神経前駆細胞が産生されないことがわかった。さらに解析を進めたところ、神経幹細胞や神経前駆細胞のマーカーであるSox2陽性でPax2陰性の神経前駆細胞が顕著に増加しており、小型Pax2陽性神経前駆細胞への分化が止まっていることを突き止めた。さらに、このRBP-Jの機能はNotchに依存しないことを明らかにした。このことは、小脳抑制性介在神経細胞の神経前駆細胞においてRBP-Jは、Notch非依存性に神経前駆細胞から神経細胞への分化を促進することを示唆している

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)

  • [雑誌論文] Interleukin-1 attenuates normal tension glaucoma-like retinal degeneration in EAAC1 deficient mice2009

    • 著者名/発表者名
      Namekata, K
    • 雑誌名

      Neurosci Letters 465

      ページ: 160-164

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Up-regulation of GLT-1 severely impairs LTD at mossy fibers-CA3 synapses2009

    • 著者名/発表者名
      Omrani, A.
    • 雑誌名

      J Physiol 587

      ページ: 4575-4588

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Development of the mouse amygdala as revealed by enhanced green fluorescent protein gene transfer by means of in utero electroporation2009

    • 著者名/発表者名
      Soma, M.
    • 雑誌名

      J Comp Neurol 513

      ページ: 113-128

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Assessment of glutamate transporter GLAST(EAAT1) deficient mice for phenotypes relevant to the negative and executive/cognitive symptoms of schizophrenia2009

    • 著者名/発表者名
      Karlsson, RM.
    • 雑誌名

      Neuropsychopharmacology 34

      ページ: 1578-1589

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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