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2008 年度 実績報告書

グルタミン酸受容体デルタ2によるシナプス形成誘導

研究課題

研究課題/領域番号 20022019
研究機関京都大学

研究代表者

平野 丈夫  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50181178)

キーワードグルタミン酸受容体 / シナプス形成 / 小脳 / 培養 / プルキンエ細胞 / 顆粒細胞
研究概要

イオン透過型グルタミン酸受容体サブユニットの一つと位置づけられてきたδ2が、シナプス形成を誘導するはたらきを有することを明示し、その作用の分子機構を明らかにすることを目指した。δ2は小脳のプルキンエ細胞に局在し、その欠損マウスでは顆粒細胞・プルキンエ細胞間シナプス数が半減していることが知られていた。δ2を非神経細胞であるHEK細胞に遺伝子導入して、そのHEK細胞を顆粒細胞と共培養したところ、顆粒細胞シナプス前終末と考えられるVglut1(小胞性グルタミン酸トランスポーター1)陽性の構造がHEK細胞上に観察された。一方、GABA性シナプス前終末に局在するVgat(小胞性GABAトランスポーター)はHEK細胞上に集まらなかった。δ2に加えてイオン透過型グルタミン酸受容体サブユニットであるGluR1もHEK細胞で発現させたところ、HEK細胞から興奮性シナプス後電流(EPSC)を記録できた。δ2の細胞外LIVBPドメインを欠損させると、上述した作用は消失した。また、GluR1のLIVBPをδ2のLIVBPドメインで置換したキメラ分子をHEKで発現させると、HEK細胞上にVglut1が集積し、HEK細胞からEPSCが記録できた。δ2とともにグルタミン酸受容体δサブファミリーを構成するδ1も、δ2と同様のシナプス前終末形成を誘導した。これらの結果は、グルタミン酸受容体δサブファミリーのLIVBPドメインにシナプス前終末形成を引き起こす作用があることを示している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Postsynaptic glutamate receptor δ family contributes to presynaptic terminal differentiation and establishment of synaptic transmission2009

    • 著者名/発表者名
      Kuroyanagi T,. Yokoyama M & Hirano T
    • 雑誌名

      Proc. Natl. Acad. Sci. USA 106

      ページ: 4912-4916

    • 査読あり
  • [学会発表] Induction of presynaptic differentiation by glutamate receptor δ2 subunit2008

    • 著者名/発表者名
      Kuroyanagi T & Hirano T
    • 学会等名
      Neuroscience 2008
    • 発表場所
      Washington DC, USA
    • 年月日
      2008-11-17
  • [備考]

    • URL

      http://neurosci.biophys.kyoto-u.ac.jp/

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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