神経伝達物質放出におけるRIM2-4の効果を詳細に検討した。RIM2はRIM1と同様に神経伝達物質含有小胞を膜近傍に集積させ、Ca^<2+>チャネル活性を持続させることで神経伝達物質放出を促進させた。RIM3およびRIM4は、N末端が欠如しているアイソフォームしか知られておらず、その生理的意義はほとんど知られていない。そこで、まずRIM3とRIM4の発現分布について評価し、RIM3、RIM4共に中枢神経系に発現していることを確認した。また、免疫沈降法により、脳内においてRIM3とRIM4が電位依存性Ca^<2+>チャネルと結合することも確認した。神経伝達物質含有小胞の膜近傍への集積については、RIM1やRIM2とは異なり、Rab3結合ドメインを持たないRIM3とRIM4は、小胞の膜近傍への集積を抑制した。Ca^<2+>チャネル活性については、RIM1やRIM2と同様にRIM3とRIM4もCa^<2+>チャネル活性を持続させた。神経伝達物質の放出に関しては、RIM1やRIM2に比べて小さいものの、RIM3とRIM4もその放出を優位に増強させた。すなわち、Rab3結合ドメインを有さないRIM3やRIM4も神経伝達物質の放出に重要な役割を果たす。また、PC12細胞においてsiRNAを用いてRIM1-4の発現をすべて抑制すると、Ca^<2+>チャネル活性が抑制され、神経伝達物質の放出が大幅に減弱した。以上の結果から、RIM family(RIM1-4)と電位依存性Ca^<2+>チャネルとの複合体形成が、神経伝達物質放出において必須な役割を果たしていると言える。
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