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2008 年度 実績報告書

成熟脳におけるシナプス可塑性機構の解析と制御-2つの新しいツールを用いて

研究課題

研究課題/領域番号 20022037
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

柚崎 通介  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40365226)

研究分担者 松田 恵子  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (40383765)
飯島 崇利  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90383702)
キーワード神経科学 / 生理活性 / シグナル伝達 / プロテオーム / 脳・神経
研究概要

成熟した個体の脳におけるシナプスの生成・消滅を支える分子機構については未だに不明な点が多い。その原因の一つは、成熟脳におけるシナプス形成や消滅は、数が少なく、かつ時間的に揃っていないことである。私たちはこれまでにδ2グルタミン酸受容体とCblnl分子が、発達時のみでなく成熟脳においてもシナプスの機能的可塑性と新規形成を制御することを世界に先駆けて解明した(Nature Neurosci, '00 ; Nature Neurosci, '03 ; Nature Ne urosci, '05)。その結果、δ2受容体とCbln1シグナル経路を特異的に活性化ないし不活化する分子ツールの確立に成功した。これらの独自の分子ツールを活用することにより小脳と海馬をモデルとして、成熟脳におけるシナプスの機能的・形態的可塑性の分子機構を明らかにするとともに、これらの過程を外的に制御することを目指している。最近、δ2受容体のN末端部分をδ2受容体欠損動物の小脳に強制的に発現させると、わずか24時間以内に新たなシナプスが形成され、成熟後においても運動失調症状が劇的に改善することを見いだした(J Neurosci, in press)。また、組換えCblnlを小脳に注入することにより、小脳における運動学習の成立過程を制御できることも分かってきた(投稿準備中)。面白いことに、いったん成立した運動記憶については組換えCblnlは作用しないことも分かった。このように記憶の各相における可塑性シナプスの移動機構の解明の糸口もつかみつつある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Cblnl regulates rapid formation and maintenance of excitatory synapses in mature cerebellar Purkinje cells in vitro and in vivo2008

    • 著者名/発表者名
      Ito-Ishida, A., Miura, E., Emi, K., Matsuda, K., Iijima, T., Kondo, T., Kohda, K. Watanabe, M., Yuzaki, M.
    • 雑誌名

      Journal of Neuroscience 28

      ページ: 5920-5930

    • 査読あり
  • [学会発表] Cbln family proteins : new molecules regulating morphological and functional synapses in adult CNS2008

    • 著者名/発表者名
      柚崎通介
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2008-12-10
  • [学会発表] 成熟した中枢神経系においてシナプス形成と可塑性を制御する新しい因子-Clqファミリー分子群の解析2008

    • 著者名/発表者名
      柚崎通介
    • 学会等名
      日本分子生物学会第8回春季シンポジウム
    • 発表場所
      北海道
    • 年月日
      2008-05-27

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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