研究課題
ディスバインジン(Dysbindin : DTNBP1 : dystrobrevin-binding protein 1)は、世界中の多数の民族において統合失調症との関連が確認されているもっとも有力な統合失調症脆弱性遺伝子の一つである。統合失調症の死後脳研究において、ディスバインジン発現レベルの低下が認められることが報告されている。我々は抗精神病薬を長期投与したマウス脳においてディスバインジンmRNA発現の変化が認められないことを報告した。よって統合失調症脳におけるディスバインジンの発現レベルの低下は抗精神病薬投与による影響を受けているのではなく、統合失調症の病態に関連していると考えられる。これらの結果から、ディスバインジンのノックアウトマウスが統合失調症のモデルマウスとして有用である可能性が示唆される。よってこのマウスを用いて、行動解析を行った。昨年までの研究において、新奇性追求の減少、不安の増強、社会性の障害が認められることを明らかとし、その成果が本年度にBBRCに掲載された。本年度は、ノックアウトマウスにおける記憶・学習機能についての検討を行った。Rotarod testにおいて、運動学習の障害が認められた。Barnes circular maze testにおいては、短期記憶においてはワイルドタイプマウスと違いは認められないが、長期記憶の障害が認められた。T-maze forced alternation taskでは、作業記憶の障害が認められた。これらの結果は、ディスバインジン遺伝子が記憶に影響を与えることを示唆している。これらの結果は、本年度、Mol Brainに掲載された。
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