研究課題/領域番号 |
20025008
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
土屋 清澄 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 超伝導低温工学センター, 教授 (20044787)
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研究分担者 |
山本 明 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 超伝導低温工学センター, 教授 (30113418)
中本 建志 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 超伝導低温工学センター, 研究機関講師 (20290851)
竹内 孝夫 物質・材料研究機構, 超伝導材料センター, グループリーダー (80354299)
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キーワード | 加速器 / 素粒子実験 / 超伝導材料 / 超電導マグネット / Nb3A1超伝導線 |
研究概要 |
LHC ルミノシテイーアップグレードの高磁場マグネット用線材として磁気的不安定性の少ないNb3Al線材の開発を進めた。具体的には、従来の Nb3Al 線材のNbマトリックスをTaで置き換えた線材を試作し、機械的特性(引張強度および断面各部の硬度)、超伝導臨界特性(電流密度および臨界温度)、磁化特性などを測定し、Nbマトリックス線材のものとの比較を行った。その結果、1)両者における機械的特性の差は比較的小さい、2)高臨界電流が得られる急熱急冷処理条件は 両線材においてほぼ同じである、3)高電流密度を得るために行う急熱急冷処理後の減面加工の効果は、両線材で非常に良く似ている。然し乍ら、本研究で得られたTaマトリックス線の最高Jc値はNbマトリックス線の値の約85%であった、4) 0.5テスラ以下の低磁場におけるTaマトリックス線の磁化はNbマトリックス線の値の約半分である、5) 4.4Kにおける磁化曲線では、Nbマトリックス線の場合、多数のフラックスジャンプが見られるが、Taマトリックス線では見られず、磁気的に安定である などが判明し、今後のマグネット設計のために有益な情報が得られた。また、ここで開発した線材を用いて、ラザフォードケーブルの試作を試みた。その結果、約20mのケーブルを作ることが出来た。然し乍ら、その断面検査において、安定化銅とマトリックスTaとの付着強度は未だ十分ではないことが判明し、さらなる開発が必要となった。このケーブルの超伝導特性の調査は現在進行中である。
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