研究概要 |
燃焼プラスマトではDT反応で生じた3.5MeVアルファ粒子が存在する. 損失アルファ粒子検出器は閉じ込め領域外に損失してくるアルファ粒子のピッチ角とエネルギーを測定することができる. 本研究はアルファ粒子の閉じ込め物理や燃焼プラズマ閉じ込め物理に関する研究を行うために, 損失アルファ粒子検出器を国際熱核融合実験炉ITERに設置し, その際に生じる諸問題を解決すること, 及び大型ヘリカル装置LHDにおいて実証することが主な目的である. ITERでの損失アルファ粒子検出器の開発において特に重要な課題に絞って研究を進めた. また, 新方式の損失アルファ粒子計測システムの検討も行った. H20年度は主に以下の成果を得た. 1. LHDにおいて本計測器を用いて高エネルギーイオンにより駆動される不安定性(アルヴェン固有モード)とその不安定性による高エネルギーイオンの吐き出し現象を観測した. 揺動の発生位置と吐き出される高エネルギーイオン損失量の関係を明らかにした. LHD実験において, ITER損失アルファ粒子検出器のための多結晶Ce : YAGセラミックシンチレータの有用性を実証することができた. 2. 多結晶Ce : YAGセラミックシンチレータの製造方法の改良を行い, 発光効率を上げることができた. 3. ITERおよび燃焼プラズマ環境において, リレーレンズ方式による長距離光伝送のための光学設計を行った. 4. ITER等の高放射綿照射に対する知見を得るために原子炉JRR-3, BR-2を用いた照射実験を行った. 5. 燃焼プラズマ計測時に予想される中性子・ガンマ線によるバジクグランドノイズの評価をMCNPにより行い, その模擬実験行った. 6. ITERへの損失アルファ粒子検出器の設置に向けた軌道等の検討を行った. 7. LHD損失イオンプローブのデータ収集系の改良を行った.
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