研究課題
核燃焼プラズマ中のイオン温度分布計測法の一つとして協同イオントムソン散乱があり、従来から注目され研究がすすめられてきたものである。近年の電子サイクロトロン波加熱技術の進展により、大電力でコヒーレントな発振源としてのジャイロトロンがその性能を上げ安定に運用されるようになったことで実用性が高まって来た。特に、核融合科学研究所のLHDにおいては、プラズマ生成および加熱に用いられてきた電子サイクロトロン加熱装置は高性能の計測装置としての機能も兼ね備えている。平成20年度に製作した8チャンネルヘテロダイン方式受信器を用いて初期的に得た協同トムソン散乱計測結果に基づき、平成21年度には、受信器を3逓倍器とシンセサイザーの組み合わせにより、安定かっ周波数可変局部発振器を持ったヘテロダイン検波方式の32チャンネルの受信器に拡張整備することにより、LHDの77GHz電子サイクロトロン波加熱や中性粒子入射装置により生成・維持されたプラズマからの協同散乱スペクトル計測を行い、バルクイオン温度や高エネルギーイオンの分布関数の評価を行うことに成功した。また、これらの過程において、開発した背景電子サイクロトロン放射の分離手法や、協同散乱スペクトル解析手法の有効性を示すと共に、より高密度領域での協同散乱計測に有効であると考えられるサブテラヘルツでの協同トムソン散乱計測への見通しを得る事ができた。
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Plasma and Fusion Research 5
ページ: S1038-1-6
Plasma and Fusion Research 4
ページ: S1095-1-5
Contribution to Plasma Physics (掲載確定, 印刷中)
Plasma and Fusion Research (掲載確定, 印刷中)