研究課題/領域番号 |
20026011
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
波多江 仰紀 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究副主幹 (10343914)
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研究分担者 |
成原 一途 自然科研究機構, 核融合科学研究所・大型ヘリカル研究部, 教授 (90109356)
吉田 英次 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 技術専門職員 (30397781)
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キーワード | プラズマ計測 / トムソン散乱 / 誘導ブリルアン散乱 / 位相共役鏡 / YAGレーザー / マルチパストムソン散乱 / 焼プラズマ / パルス圧縮 |
研究概要 |
本研究では、レーザービームを一対の誘導ブリルアン散乱(SBS)位相共役鏡の間に閉じ込め、レーザー光を往復させ、プラズマを通過中に複数回トムソン散乱させること(マルチパストムソン散乱)により、バースト的な高時間分解のトムソン散乱計測を実現し、この手法を確立することを目的として研究を進めている。本年度の主な成果は次のとおり。 1、位相共役鏡は単一縦モードレーザーを用いなければ高反射率を得ることができない。そこで、既存の2台のレーザー装置を組み合わせ、単一縦モードYAGレーザーを主発振器とし、その出力ビームを別のレーザー装置の増幅器で増幅する、ジュール級単一縦モードレーザーシステムの開発を行った。本年度は、レーザー電源を増力し、50Hz動作で1.15Jの出射エネルギーを達成し、マルチパストムソン散乱のためのレーザーの準備が整った。併せて、大口径ポッケルスセルを購入し、1対の位相共役鏡間にレーザーを閉じ込めるための基礎試験に着手した。 2、先進的なマルチパストムソン散乱計測に応用可能な、SBSパルス圧縮技術の開発を行った。本年度は、100ps以下のパルス圧縮を目標として、音響緩和時間40psの液体フレオン系化合物(ガルデンHT270)を用いて試験を行った。長さ1.5m、内径40mmのセルにHT270を充填し、f1000のレンズでレーザー光を集光し、SBSパルス圧縮を行った結果、パルス幅10ns、エネルギー1J、波長1064のレーザー光は、反射率90%で200ps程度まで圧縮できた。今後、動作条件の最適化を進める。
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