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2008 年度 実績報告書

ジョセフソン効果と類似現象を示す量子ホール状態の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20029012
研究機関京都大学

研究代表者

澤田 安樹  京都大学, 低温物質科学研究センター, 教授 (90115577)

研究分担者 新井 敏一  京都大学, 低温物質科学研究センター, 助教 (80333318)
福田 昭  兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (70360633)
キーワード量子ホール効果 / ジョセフソン効果 / 2次元電子系 / 2層系 / マクロコヒーレンス / ソリトン格子 / 磁気抵抗 / ホール抵抗
研究概要

超伝導体や超流動体が示すジョセフソン効果とよく似た現象を示す2層2次元電子系の量子ホール状態を研究対象とし, ACジョセフソン効果に相当する現象をマイクロ波の照射実験で捉えることが研究目的である. 2次元電子系では, 電子と磁束量子を合わせて複合ボソンといった新しい物理概念の複合粒子を考えることができ, この現象は複合ボソンによる凝縮状態として理論的提案がなされている. 面内磁場を加えることにより, 整合相と呼ばれる状態と非整合相と呼ばれる状態の間に磁気抵抗の極大が有ることを見つけた. これは超伝導体のジョセフソン接合で見られる磁束量子が接合部の空間に入りこんだソリトン波状態に対応する. 研究の準備を進めてきたマイクロ波実験装置の建設を終了したので, ジョセフソン・プラズモンの観測の他, マクロな波動関数のソリトン波状態をマイクロ波実験で測定することによりマクロコヒーレンスの存在を調べることができるようになった. またこれまで行ってきた実験では, 温度を巨視的コヒーレンスが十分発達する温度まで冷却できない, 測定感度を上げられないなどの問題が明らかになり, 改良を進めてきた. スプリット横型超伝導マグネットとマイクロ波測定装置から成る量子ホール効果測定システムを、希釈冷凍機と組み合わせる作業が終了した。これまで, AIAsの厚い層を障壁としたトンネル効果の少ない試料を製作した. 試料のデバイス化は, 両面マスクアライナーを用いて位置合わせを行い, 2層に独立電極を設ける。これにより量子ホール状態における層間の電流・電圧特性のマイクロ波依存性が測定できるようになり, ACジョセフソン効果に相当する最も簡単な検証が可能となる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Pseudospin Soliton in the υ=1 Bilayer Quantum Hall Effect2008

    • 著者名/発表者名
      A. Fukuda, D. Terasawa, et.al.
    • 雑誌名

      Physical Review Letters 100

      ページ: 016801(1-4)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Electron attachment to atomic hydrogen on the surface of liquid 4He2008

    • 著者名/発表者名
      T. Arai, H. Yayama, and K. Kono
    • 雑誌名

      Low Temperature Physics 34

      ページ: 397-403

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 2層系υ=1量子ホール効果におけるソリトン格子相2008

    • 著者名/発表者名
      福田昭・澤田安樹
    • 雑誌名

      固体物理 43

      ページ: 361-369

  • [学会発表] 2層系量子ホール状態における磁気抵抗のマイクロ波応答2008

    • 著者名/発表者名
      小笠原良晃
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      岩手大学
    • 年月日
      2008-09-20

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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