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2008 年度 実績報告書

アルキル鎖のダイナミクスとイオン液体の安定性

研究課題

研究課題/領域番号 20031003
研究機関筑波大学

研究代表者

齋藤 一弥  筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (30195979)

研究分担者 山村 泰久  筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (80303337)
清水 由隆  独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (20357221)
キーワードエントロピー / 低融点 / アルキル鎖長依存性
研究概要

イオン液体を構成するカチオンには長いアルキル鎖を有するのが一般的であり, 融点がこのアルキル鎖長に依存することから, イオン液体の安定性にはこのアルキル鎖が重要な役割を果たしているものと考えられている。とくに, アルキル鎖の乱れ・ダイナミクスが重要な因子であると考えられる. 本研究課題では, アルキル鎖の乱れ・ダイナミクスを熱力学的および分光学的観点から明らかにし, イオン液体の安定性との関係を明らかにすることを研究目的としている. 本年度は代表的なイオン液体である[C_nmim][Tf_2N]の熱力学的性質のアルキル鎖長(n)依存性を検討した. そこで, 入手可能な範囲でnの小さな[C_2mim][Tf_2N]と大きな[C_18mim][Tf_2N]について精密に熱容量を測定した.(25℃における)熱容量, 融点, 融解エントロピーのn依存性を長鎖アルキル基をもつ一般の(中性)分子液体と比較し, 1)イオン液体の液相におけるアルキル鎖は中性分子化合物とほとんど同じ状態にあること, 2)イオン液体の融解エンタルピーが分子化合物より大きいこと, 3)この傾向は短鎖領域で顕著なことを明らかにした. 1) の結果から, 大きな融解熱の原因は液相では無く結晶相にあることを明らかにした. 大きな融解エントロピーは低融点をもたらすから, 低融点の起源(の少なくとも一端)は結晶相にあることになる. この結果は, イオン液体の物性の理解には液相だけでなく結晶相についても詳細な研究が必要なことを示すものである.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Is the Liquid or the Solid Phase Responsible for the Low Melting Points of Ionic Liquids? Alkyl-Chain-Length Dependence of Thermodynamic Properties of [C_nmim][Tf_2N]2009

    • 著者名/発表者名
      Y. Shimizu, Y. Ohte, Y. Yamamura & K. Saito
    • 雑誌名

      Chem. phys. Lett. 470

      ページ: 295-299

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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