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2008 年度 実績報告書

積分方程式理論に基づくイオン液体の溶媒和構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20031014
研究機関京都大学

研究代表者

佐藤 啓文  京都大学, 工学研究科, 准教授 (70290905)

キーワード積分方程式理論 / RISM-SCF / エントロピー
研究概要

イオン液体の特異な性質は、(a)構成分子全てが帯電していることによる強いクーロン相互作用、(b)自由回転する側鎖とその構造エントロピー、の二つによるところが大きいと言われており、これら二つは同時にイオン液体の理論研究を非常に困難にしている。本課題では、液体の積分方程式理論を基礎としてイオン液体を扱う新しい手法を開発し、従来とは全く異なった理論的枠組みの確立をめざしている。実施初年度にあたる今年度は以下の研究を遂行した。
(1) これまでに行ってきた研究を総括することで、直鎖状分子の自由回転を扱うことのできる、新しい積分方程式理論の開発に成功した。従来、こうした手法では個々の原子を参照系とした理論構築が試みちれてきたが、低密度極限などで破綻することが知られていた。我々は構成原子すべてからなる分子を参照系として古典的密度汎関数理論を用いることで新しい式を導出した。窒素分子、ブタンからデカンに至る直鎖アルカンに関する計算結果から、この方法が極めて有望であることが分かった。今後、bminの直鎖部分などにこの方法を導入し、イオン液体への展開を進める予定である。
(2) 多成分系の液体積分方程式理論(RISM)を用いることで、イオン液体中でのDiels-Alder反応などの化学反応の計算に世界で初めて成功した。イオン液体は強いクーロン相互作用が内在しているにも拘らず、あたかも穏やかな極性溶媒のような振る舞いを見せる原因について、分子サイズや溶媒和構造から明らかにした。
以上の結果は既に複数の学術論文として取りまとめ、現在投稿中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] RISM-SCF法によるイオン液体中の化学反応の理論的解析2008

    • 著者名/発表者名
      早木清吾・城戸健太朗・横川大輔・佐藤啓文・榊茂好
    • 学会等名
      第31回溶液化学シンポジウム
    • 発表場所
      東大阪・近畿大学
    • 年月日
      2008-11-12

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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