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2008 年度 実績報告書

イオン液体を用いたプラスチックの新しいケミカルリサイクル法の確立と応用展開

研究課題

研究課題/領域番号 20031019
研究機関山口大学

研究代表者

上村 明男  山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30194971)

キーワード環境技術 / 高分子合成 / イオン液体の創製 / 廃棄物再資源化 / 解重合反応
研究概要

前年度までに開発した、イオン液体中でのポリアミドの解重合反応をさらに効果的に行うために、触媒であるDMAPの構造を組み込んだアンモニウム塩の合成を行った。市販の4-ブロモピリジンに対して、N-メチルピペラジンをBuchwald-Hartwig反応させたところ、N-メチル-N'-(4-ピリジル)ピペラジンを得た。この反応はXPhosを配位子としたパラジウム触媒で進行し、溶媒としてDMEを用いた場合がもっともよい収率で生成物を与えることがわかった。得られたN-メチル-N'-(4-ピリジル)ピペラジンに対してヨウ化メチルを作用させると、3つの窒素のうち、相的の窒素が第四級アンモニウムとなった、N, N-ジメチル-N'-(4-ピリジル)ピペラジニウムヨージドだけが溶媒から結晶化して析出したので、これをろ取することで、目的のアンモニウム塩を合成することができた。収率は28%と必ずしも高くなかったが、目的の窒素のみを選択的にメチル化できたので、目的のDMAPを組み込んだPP13タイプのアンモニウム塩の合成に成功した。他のアミンからも同様に種々のDMAP誘導体を合成でき、これをアンモニウムかして、TMPAにDMAPを組み込んだイオン液体も合成できた。これらアンモニウムは残念ながら室温では固体であったが、イオン液体には溶解したので、これらを含むイオン液体を使ったナイロン6の解重合反応を行った。予想通り、ここで合成したDMAPを組み込んだアンモニウム塩を加えたイオン液体は良好な解重合特性を示し、ナイロン6をよい収率で解重合してカプロラクタムを与えた。また繰り返し利用も可能であり、従来のように反応のたびにDMAPを加える必要がないことがわかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] A novel depolymerization of polyamides in ionic liquids2008

    • 著者名/発表者名
      Akio Kamimura
    • 雑誌名

      Polym. Adv. Technol 19

      ページ: 1391-1395

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 超臨界流体とイオン液体を使った新しいプラスチックの解重合反応-有機合成化学の新しい応用2008

    • 著者名/発表者名
      上村明男
    • 雑誌名

      Chemical Times 208

      ページ: 2-8

  • [学会発表] プラスチックの化学リサイクルに向けた新しい方法2008

    • 著者名/発表者名
      上村明男
    • 学会等名
      グリーンケミストリーフォーラム
    • 発表場所
      鳥取市鳥取県民文化会館
    • 年月日
      2008-12-10
  • [学会発表] 超臨界およびイオン液体を用いた廃プラスチックの高効率解重合反応2008

    • 著者名/発表者名
      上村明男
    • 学会等名
      岡山地区高分子懇話会第1回定例講演会
    • 発表場所
      岡山市岡山大学
    • 年月日
      2008-07-10
  • [学会発表] 超臨界およびイオン液体を用いた廃プラスチックのゼロエミッションリサイクル2008

    • 著者名/発表者名
      上村明男
    • 学会等名
      第57回高分子学会年次大会
    • 発表場所
      横浜市パシフィコ横浜
    • 年月日
      2008-05-28

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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