研究概要 |
本年度は研究実施計画で記載した以下の2つの項目について実施した. 1. 価値創成モデル構築のための技術革新の事例分析 価値創成における生産者, 消費者の相互関係をモデル化するために, 過去の技術革新の事例を調べた.具体的には携帯電話を対象とし, 1990年から現在までの契約件数のデータを調べた. 特に, 携帯電話の通信技術に関して, 第2世代から第3世代へどのようにシフトし普及していったかについて分析を進めた. 2. 価値創成モデルの構築とシステム論的な分析 上記の調査データに加えて, アンケート調査を実施し消費者の携帯電話に関する意識や利用状況について分析を進めた.それらの結果をもとに, 携帯電話市場をマルチエージェントモデルとして表現し, 価値創成モデルの観点から, 人工物を提供する生産者と人工物を使用する消費者との相互作用によって, どのように価値創成が起こっているか分析を進めた.携帯電話はサービス性が強い製品であり, サービスに関して過去の学術研究のサーベイ等を行い, サービス産業の技術革新とサービス設計の問題についても議論し, 価値創成モデルによるシステム論的な分析を行い, 技術革新の本質を追究している.
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