研究代表者は、研究成果促進の科研費の支援により、電気関連の5学会(映像情報メディア学会、情報処理学会、照明学会、電気学会、電子情報通信学会)と国立情報学研究所(NII)の協力を得て、戦後日本の技術開発が世界的レベルで高揚し、世界に影響を与えた我が国の電気電子・情報関連卓越技術のデータベース構築を進め、2008年3月、その成果を「電気のデジタル博物館」(日本の電気電子・情報関連卓越技術データベース、DB-JET)として、Web上に公開した(http://www.dbjet.jp)。この成果を踏まえて、本研究では、対象とする時代を元層拡大してコンテンツを整備するとともに、中学生を含む一般の社会人が理解しやすい情報発信を推進した。 この卓越技術は、原則として各学会での表彰案件を基本として学会が認めるものとしている。2007年度までに、業績賞や論文賞などの表彰案件を含む572件の卓越技術の収集を行った。本研究では、学会が表彰してきた適切な特定の賞を選定し全て採録することにした。その結果、戦後から現在にいたる、587件の卓越技術を収集し、2008年度以前の572件と合わせて、全体で1159件に達した。これらを、中学生を含む一般の人々を対象とした「入門向け」内容や技術者・研究者を対象とした「専門向け」内容でWeb上に公開し、「専門向け」の元部は「英語専門向け」として英語で発信している。情報処理学会については、同学会の「コンピュータ博物館」へのリンクを計画している(約450件)。 本研究によって、戦後から現在に至る我が国の電気電子・情報関連の卓越技術をほぼ網羅することができた。本研究は戦後日本の卓越技術を収録したのみならず、科学技術の理解促進に大きな貢献をするものと考えられる。今後、「入門向け」をはじめとするコンテンツの一層の充実をはかる予定である。
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