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2009 年度 実績報告書

日本の技術革新が核融合の進展に果たした役割の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20032015
研究機関核融合科学研究所

研究代表者

松岡 啓介  核融合科学研究所, 連携研究推進センター, 教授 (70023736)

研究分担者 中村 幸男  核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (40136560)
西谷 健夫  日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究主席 (30354608)
キーワード電子管 / ジャイロトロン / ITER仕様 / ヘリカル型 / 最適化 / モジュラーコイル / 特異値分解 / MRI
研究概要

環状磁場による核融合プラズマの閉じ込め実験全般にわたる技術革新をまとめることを目標とした。平成21年度(最終年度)は、研究協力者として日本原子力研究開発機構、核融合科学研究所の研究者および企業の研究者に依頼して、高温プラズマの生成や定常保持及びプラズマ電流分布制御に必須な高周波加熱の技術革新をまとめた。内容はジャイロトロンの開発に関するものであり、当面の目標であるITER(国際熱核融合実験装置)の仕様、即ち、周波数170GHz、出力1MW、準定常運転、を満足する電子管に関する技術革新についてである。ジャイロトロンは磁場構造によらず電子加熱に用いられている。成果は、プラズマ・核融台学会誌2010年3月号に掲載される。昨年度の成果である閉じ込め装置本体における技術革新のまとめは2009年5月号に掲載された。
一方、世界ではヘリカル型装置による閉じ込め実験も精力的に行われている。1980年代に入りヘリカル磁場配位の最適化が一つの潮流になっているため、我々の活動も含め、その技術的な側面についての歴史をまとめた。最適化はモジュラーコイルの設計に集約され、必要な磁場を与えるコイル群を求めるという所謂磁場における逆問題となっている。これらの解析手法は主にドイツの研究者によって発展させられたが、日本における新しい成果として特異値分解を用いることによってモジュラーコイルの形状を精度良く求めたことが挙げられる。即ち、従来の三角関数によるフーリエ分解では、過度な高周波成分を必要とするが、特異値分解では出力(磁場ベクトルのノルム)/入力(電流ベクトルのノルム)が最大になり、ノイズの低減・データ圧縮が得られる。特異値分解の応用は広範囲にわたるため、ヘリカル磁場の最適化の手法のスピンオフとしてオープン型MRIの実用化に結びついた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] 核融合実験装置用大電力マイクロ波管の開発2010

    • 著者名/発表者名
      林健一
    • 雑誌名

      プラズマ・核融合学会誌 86

      ページ: 104-121

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 核融合における技術革新(1)―閉じ込め装置本体―2009

    • 著者名/発表者名
      伊藤裕、古山昌之、太田充
    • 雑誌名

      プラズマ・核融合学会誌 85

      ページ: 287-306

    • 査読あり
  • [雑誌論文] モジュラーコイルを用いた最適化ヘリカル装置の歴史と工学的側面2009

    • 著者名/発表者名
      松岡啓介
    • 雑誌名

      第5回シンポジウム「日本の技術革新―経験蓄積と知識基盤化―」研究論文発表会 論文集

      ページ: 17-22

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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