研究課題
生体内組織幹細胞は高い増殖能、多分化能、自己複製能を兼ね備えた細胞で組織・臓器の発生・修復・維持に重要な役割を担っている。一方、胚性幹(ES)細胞は生体外においてすべての生体構成細胞への分化能力を保持するため、再生医療応用への期待が高まっている。申請者は、献血に頼らない輸血用血液を供給する医療システムを開発することを主目標とし、本研究プロジェクトにおいてヒトES細胞・iPS細胞からの高効率血小板産生技術の確立を行っている。H20年度は、血小板前駆細胞体である巨核球の産生効率を上昇させる培養法の確立に重点をおき、1) 遺伝子による巨核球前駆細胞の増殖システム、2) 新規scaffoldによる培養効率改善システムを確立する研究を推進した。1) のプロジェクトにおいては、c-Myb、c-Mycの2つの遺伝子に焦点を当てて、巨核球前駆細胞の優先的な誘導方法、培養法法の検証を進めた。特に、c-Mycの発現制御(発現量)変化に伴う前駆細胞の産生効率についての予備的データの蓄積につとめた。2) のプロジェクトでは、本特定領域の中での名古屋大学工学部、福田領域代表の研究室との共同研究を開始した。骨髄内部の血管網を模したscaffoldを作製する目的で、マウス骨髄細胞、マウス胎児肝臓からそれぞれ誘導した巨核球を使用して、接着性を担保できる材質のスクリーニングを行い、選別を行った。本研究の成果をもとに次年度では、3次元培養システムの構築を行っていく。
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