研究課題/領域番号 |
20034060
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
工藤 卓 独立行政法人産業技術総合研究所, セルエンジニアリング研究部門, 研究員 (10344110)
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研究分担者 |
鈴木 正昭 産業技術総合研究所, ゲノムファクトリー研究部門, 研究グルーブ長 (60357291)
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キーワード | 生物・生体工学 / 脳・神経 / 生体生命情報学 / 知能ロボティクス / バイオ関連機器 |
研究概要 |
生体神経細胞が自律的に形成する神経回路網の生成過程、相互作用による自己組織化的構成過程のメカニズムを明らかにするため、神経回路網相互の物理的接続様式を緩やかに制御することで神経回路網の構成過程に摂動を与え、相互作用による神経回路網構成機構を考察した。この目的のため、細胞接着性の高い物質をプローブ基板上に生成することで、長期間持続するパターン化神経回路網の作成に成功した。この手法で特に神経細胞が想定したパターン上に適切に培養可能であることを確認した。さらに、領域内の共同研究により、レーザー加工した材料をプローブ底面に貼り付けることで神経細胞の配列を制限し、パターンを作成することに成功した。できあがったパターン神経回路網について電気活動を測定したところ、パターンの形を反映した自発活動を確認した。また、これまでに確立した、培養神経回路網を、細胞外電位多点記録システムをインタフェイスとして電気的に複数接続した系を構築するに当たり、パターンニング培養神経回路を使用し、神経細胞間の物理的接続性とネットワーク全体の活性操作というマルチスケールの操作を加えた。現在、環境応答特性の変化を明らかにするために、システム間の接続強度を調整し、最適な動作条件を検討している。さらに、免疫組織化学染色法とCELL-ELISAを用いて分散培養系におけるグリア細胞と神経細胞の量比の変化を解析し、長期培養の場合には神経細胞数が一定の減少の後に安定し、細胞数の大幅な減少が無くなることを確認した。
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