研究課題
原子的平坦なSi表面の熱酸化により形成されるシリコン酸化膜の表面・界面のラフネス変化により、熱酸化機構の原子論的な解析を進めている。主要3面方位において、その表面ラフネス変化の速度は(111) > (100) > (110)の順で減少し、初期平坦域も、同じ順で広がっている。さらに、酸化膜表面のラフネスのフーリエ変換により、酸化の進行とともに、長周期構造が増大することが判明した。このようなことは、熱酸化時の界面の酸化応力が関与していることを示唆しているものの、更なる詳細な解析が必要である。そこで、シリコン酸化膜表面の同一箇所の形態が酸化の進行とともに、どのように変化するかを追跡したところ、凹凸は、同一箇所で高さが大きくなるような成長をしていることが分かった。この現象は、当初の予想を覆すものであり、酸化応力による界面から未酸化Siの放出と表面での酸化という一連の流れが想定されるものの、上記現象を説明するためには、界面での未酸化Siの放出、膜中の酸化剤の流出、表面での動きなどに注意した解析が必要でかり、継続する21年度の研究で、この点を明らかにしていく。
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Journal of Physics : Conference Series 106
ページ: 012017
Jpn. J. ADD 1. Phys 47
ページ: 2354-2359
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