研究課題/領域番号 |
20035008
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松村 道雄 大阪大学, 太陽エネルギー化学研究センター, 教授 (20107080)
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研究分担者 |
池田 茂 大阪大学, 太陽エネルギー化学研究センター, 准教授 (40312417)
原田 隆史 大阪大学, 太陽エネルギー化学研究センター, 技術職員 (00379314)
平井 豪 立命館大学, 理工学部, 助教 (80423086)
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キーワード | シリコン / ナノ加工 / 触媒 / エッチン |
研究概要 |
シリコンへの微細細線を実現するために、1)触媒反応を利用した細孔の形成、2)形成された細孔への銅の充填、を研究した。 細孔形成においては、貴金属触媒を利用して、ナノからミクロンサイズの孔の形成を試みた。その結果、ナノサイズの孔は、無電解めっき法で堆積させた銀粒子により効率よく形成させることが出来た。一方、ミクロンサイズの孔は、約1μmの金粒子を用い、異なる粒子数の凝集体を用いて、3〜10μmの孔を形成することに成功した。 これらの孔への銅の充填は、銅の電解析出、および超臨界CO2からの化学析出を検討した。その結果、ミクロンサイズの孔に対しては、銅の電解析出法により、細孔内に銅を途切れることなく充填することに成功した。ナノサイズの孔は、銅が浸入しにくいため、電解法ではうまく充填できなかったが、超臨界CO2中において、有機銅錯体(Cu(dibm)2)の還元分解によって、孔径約100nm、深さ約1μmの細孔に銅を充填することに成功した。その際、銅イオンの還元のために、径内に封入したH2を還元剤として用いた。いずれの場合も、孔の先端に存在する銀および金粒子が銅の析出の核として働くことにより、孔の先端から銅の堆積が起こり、良好な充填が可能となっており、孔の形成に利用した触媒粒子が、銅の充填においても有効に機能していることが明らかになった。 以上の結果は、シリコン基板への、ナノからミクロンの超微細Cu配線の全く新規な配線法の実現可能性を示したものとして、大きな成果であると判断している。
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