研究概要 |
生体模倣ヘリカル2次構造を配座自由度制限環状ジ置換アミノ酸より設計・合成し、そのヘリックス2次構造を用いた協奏不斉触媒の創製を目指して研究を行った。特に、ヘリックス2次構造による不斉エポキシ化反応の効率化と基質許容範囲の研究、また、ヘリックス構造によるキラル分子認識場と金属触媒あるいは触媒部位を利用した協奏不斉触媒反応の創製を目的とした。研究は、1.多彩な変換が可能なキラル環状アミノ酸の設計・合成2.ペプチド・フォールドマーの合成と2次構造解析3.ヘリカル2次構造フォールドマーによる不斉エポキシ化反応4.ヘリックス2次構造による協奏不斉触媒の創製にて進めた。 1. キラル環状アミノ酸として、脱着可能なアセタール部位を1つあるいは2つ有する多彩変換が可能な環状ジ置換アミノ酸をグラムスケールで大量合成した。そして、この環状ジ置換アミノ酸を有するオリゴマーの合成を検討した。 2. 合成したペプチド・フォールドマーの2次構造解析を、計算化学からのアプローチ、溶液状態で^1H MR, CD, IRを利用した方法、結晶状態でのX線結晶解析による方法により行った。 3. ヘリカルオリゴマーによるα,β-不飽和ケトン誘導体の不斉エポキシ化反応の一般性を調べた結果、極めて高い鏡像体過剰率のエポキシ化体が得られることが分かった。さらに、不斉発現の反応機構に焦点をあて、NMRによる研究を行った。 4. ヘリックス2次構造のN末端にプロリンを導入したオリゴマーの合成を行った。さらに、キラルアセタール部位の変換が可能であるかの実験を行った。
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