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2009 年度 実績報告書

触媒設計に基づく酸素酸化反応の立体選択性制御

研究課題

研究課題/領域番号 20037059
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

山田 徹  慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40296752)

キーワード合成化学 / 触媒・化学プロセス / 酸素酸化反応
研究概要

コバルト錯体触媒を用いるオレフィン類の官能基化反応では,炭素-炭素二重結合に対しコバルトヒドリド錯体が付加した中間体であるアルキルコバルト錯体に求電子剤が反応し官能基化が完結すると考えている。求電子剤の共存がない条件で触媒量のビス(アセチルアセトナト)コバルト(II)錯体の存在条件,N-メチルクロトン酸アニリドに対し,フェニルシランまたはトリエチルシランをヒドリド源として反応を試みたところ,飽和カルボン酸アニリドが良好な収率で得られ,中間にアルキルコバルト錯体の生成が確認された。そこで,酸素雰囲気で同反応を行なったところ,分子状酸素が求電子的に反応しα-トリエチルシリルペルオキシ体が,室温24時間後に位置選択的に中程度の収率で得られた。次に種々のアセチルアセトナト金属錯体の差触媒能の探索を行なったところ,コバルト(II)錯体の他にマンガン(II)錯体でも低収率ながらα-トリエチルシリルペルオキシ体が得られたが,鉄(II)・ニッケル(II)・オキソバナジウム(IV)・銅(II)錯体を用いた場合には原料の消費は全く観察されなかった。特にコバルト錯体の酸化電位を測定した結果,ビス(ジピバロイルメタナト)コバルト(II)錯体のような酸化電位の低い錯体を触媒として用いた場合には,α-トリエチルシリルペルオキシ体の生成とともに対応するケトン体の副生が観測されるのに対し,ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)コバルト(II)錯体のように酸化されにくい錯体はこの反応の触媒としては作用しないことが明らかになった。反応条件の最適化の結果,α,β-不飽和カルボン酸アニリド類のα-トリエチルシリルペルオキシド化反応が高い選択性・高い収率で得られることがわかった。さらに,アミド類の検討の結果,オキサゾリジノンを有するα,β-不飽和カルボン酸誘導体にも本反応は適用可能であることがわかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Silver-Catalyzed Enantioselective Carbon Dioxide Incorporation into Bispropargylic Alcohols2010

    • 著者名/発表者名
      T.Yamada (S.Yoshida)
    • 雑誌名

      J.Am.Chem.Soc.

      巻: 132 ページ: 4072-4073

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Extraordinary Effect of Microwave Irradiation on Asymmetric Catalysis2010

    • 著者名/発表者名
      T.Yamada (S.Kikuchi)
    • 雑誌名

      Chem.Lett.

      巻: 39 ページ: 574-575

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 光学活性コバルト錯体による触媒的不斉合成反応の開発2010

    • 著者名/発表者名
      山田徹
    • 雑誌名

      有機合成化学協会誌

      巻: 68 ページ: 966-972

  • [学会発表] 触媒反応設計の新しい可能性2009

    • 著者名/発表者名
      山田徹
    • 学会等名
      日本プロセス化学会2009サマーシンポジウム
    • 発表場所
      タワーホール船堀東京都江戸川区
    • 年月日
      2009-07-16

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公開日: 2012-07-19  

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