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2008 年度 実績報告書

ケイ素不飽和結合を有する分子の電子励起状態に関する理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20038004
研究機関秋田大学

研究代表者

天辰 禎晃  秋田大学, 工学資源学部, 准教授 (90241653)

キーワード非経験的分子軌道法 / ケイ素不飽和結合 / 高周期元素不飽和結合 / 分子設計 / π電子共役系 / 電子励起状態 / アズレン / 円錐交差
研究概要

電子励起されたπ共役分子は、多様な光化学的挙動ゆえ、分光学、光機能性材料工学、光生物学など広範な研究分野から興味がもたれているが、そのπ共役分子の光化学的挙動には合理的に解釈されていないものも多い。本研究課題では、以前は基底状態における結合形態の存在すら疑われていた高周期不飽和結合有する分子の電子励起状態の性質を高精度の非経験的分子軌道計算により検討する。
平成19年度におけるP=P二重結合を有するジホスフェンの電子励起状態の特徴を検討に続き、平成20年度は、ケイ素不飽和結合を有するシラアズレンの性質を検討した。
アズレンは非ベンゼノイド系芳香族化合物の一つであり、その基底状態および励起状態における特異な挙動は大いに関心を集めている。しかし、そのアズレン骨格の炭素原子の一つをケイ素に置換したシラアズレン類については、その合成すら報告されていない。そこで、可能な1置換シラアズレンすべてについて、基底状態における芳香族性を検討した。その結果、1-シラアズレンは芳香族性のみならず平面性すら有していないことが分かり、この電子的要因について考察した。次に基底状態においてはアズレン同様の芳香族性を有する2-シラアズレン(2SIAZ)、6-シラアズレン(6SIAZ)のS_1-S_0内部転換について検討した。その結果、内部転換が起きる円錐交差(CIX)の特徴について、2SIAZはアズレンと同様のsloped-type CIXであるのに対して、6SIAZはpeaked-type CIXであることが分かった。これは2SIAZの内部転換はアズレンに比較的類似しているのに対して、6SIAZの場合にはアズレンの場合とは大いに異なるということを示唆するものである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Theoretical Study on the Phenyl Torsional Potentials of trans-Diphenyldiphosphene2008

    • 著者名/発表者名
      Yoshiaki Amatatsu
    • 雑誌名

      Journal of Physical Chemistry A 112

      ページ: 8824-8828

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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