本研究においては次のプロジェクトを遂行した。 1. [2+2+2]付加反応における金属触媒の役割。 アセチレンの三量体からベンゼン生成の反応は重要な有機合成反応の一つになると考えられる。この反応に関し触媒無しでの反応は非常に生成効率が悪く、その結果は先に示した。そこで本プロジェクトにおいてはチタン金属原子を触媒として用いた場合の反応機構について解析し、非常に興味ある結果を見いだした。 2. 金属-エン反応機構め理論的解析。 先にリチュウム原子、ナトリウム原子が関与するエン反応に関しその協奏機構と段階機構について検討し、協奏機構が段階機構より起こり易いことを示した。本プロジェクトではグリニヤール反応等から起こるマグネシム金属-エン反応についてその協奏反応と段階反応を調べた。その結果協奏反応におけるドライビングフォースを明らかにした。 3. 高周期[2+2+2]反応機構に関する理論的解析。 [2+2+2]反応に対しケイ素原子が関与する場合の影響について調べた。特にエチレンの三量体付加とモノシラエチレンの三量体付加反応について協奏反応機構と分極(イオン)型反応機構についてその違いの要因を明らかにした。
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