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2008 年度 実績報告書

金属内包14族クラスターの系統的な精密合成法の開発と基本的性質の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20038045
研究機関東京理科大学

研究代表者

根岸 雄一  東京理科大学, 理学部・第一部応用化学科, 講師 (20332182)

キーワード金属内包14族クラスター / 精密合成 / 高速液体クロマトグラフィー / 幾何構造 / 電子構造
研究概要

金属原子を内包した14族クラスターは、金属内包フラーレンのファミリーとも捉えられる典型的な複合電子系である一方で、化学合成に基づく構造設計(制御)が可能である、遷移金属を内包できる、などの金属内包フラーレンには無い特徴も併せ持ち、新しい機能性物質の構成単位として大きな可能性を秘めている。本課題では、これらのクラスターの、1) 系統的単離法の確立、2) 基本構造と機能の解明、に取り組み、以下の成果を得た。
1) 系統的単離法の確立 : 本年度は化学的安定性の高い、金属元素を内包していない14族クラスター(シリコンクラスター)を対象に、それらの高分解能サイズ分離法の確立に取り組んだ。ブチル保護シリコンクラスターを液相調製し、高速液体クロマトグラフィーによりそのサイズ分離を試みたところ、クロマトグラムには複数のピークが観測された。各々を分離し、その紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、各分取成分は異なる電子構造を有していることが分かった。以上の結果から、シリコンクラスタ-のサイズ分離には高速液体クロマトグラフィーが極めて有効な手段であることが明らかになった。
2) パラジウム内包スズクラスターの幾何構造の解明 : パラジウム内包スズクラスターにおける主生成物([K(2, 22-crypt)]_4[Pd_2@Sn_<18>」・3ED)の単結晶化に成功した。X線構造解析より、籠構造内部にて二つのPd間の原子間距離は3.415Åと大きく離れていることが明らかになり、このことはスズ籠構造内部において二つのPd原子は殆ど相互作用していないことを示している。同族のPd_2@Ge_<18>^<4->においては二つのPd間の原子間距離は2.831Åであり、籠構造内部にて二つのPd原子は弱い相互作用をしていることが明らかにされている。以上の結果は、籠構造を形成する元素の種類を変化させることで、内部の金属原子間の相互作用を変化させられることを示している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Precise Synthesis and Fundamental Properties of Magic-Numbered Gold Clusters Protected by Thiolates2008

    • 著者名/発表者名
      根岸雄一
    • 学会等名
      International Symposium on Molecular Theory for Real Systems
    • 発表場所
      Okazaki Conference Center
    • 年月日
      2008-08-05

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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