これまでに見つかっているレプトンフレーバーの破れを詳細に見るために、超長基線ニュートリノ振動実験が考案されている。これらの実験では地球の中心を通るため、物質効果において、物質密度が変化する影響が実験の解釈に大きく影響する。従来はこの影響を数値的に取り込むだけであったが、本研究では、その影響を数学的に解析し、古典力学で言うパラメタ励振とほぼ同様の取り扱いができることを解析的に示した。 一方で、標準理論を超える理論にはこのようなレプトンフレーバーの破れが取り入れラテいなくてはならない。そのような理論として最有力だと思われている超対称性標準模型では、タウレプトンの超対称パートナーであるスタウがもっとも見つかりやすいと期待されている。この振粒子はパラメタ領域次第では、大変長寿命になる。 これが、レプトンであるという事実と組み合わせると、長寿命である場合、宇宙初期において作られたばかりの原子核と束縛状態をくむことが出来、スタウ崩壊するときに原子核を道連れにするという現象が起きるので、元素合成に多大な影響を与えリチウム問題を解決しうることを我々は示していたが、改めて詳細な計算を行いこのことを確認した。 また、このような粒子は今年から欧州で始まる予定のLHC実験ですぐにでも観測されると期待されているが、我々が興味を持っているようなパラメタ領域では、フレーバーの破れの影響が大きく出て、それをはかれるかもしれないことも示した。
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