• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

第4世代による荷電共役パリティ対称性の破れとバリオン数非対称性の生成

研究課題

研究課題/領域番号 20039002
研究機関東京大学

研究代表者

菊川 芳夫  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (20252421)

キーワードクォーク・レプトン / 第4世代 / バリオン数非対称性 / 電弱相転移
研究概要

本研究では, 第4世代のクォーク・レプトンの存在を仮定し, 宇宙初期のバリオン-反バリオン非対称性を生ずる新しい機構の可能性を検討する. 特に, クォーク, 荷電レプトン, ニュートリノそれぞれのセクターにおける新たなCP位相によって, どれだけのバリオン-反バリオン非対称性を生成することができるかを, 素粒子論的宇宙論の手法で定量的に評価することを試みる.
平成20年度は, 重い第4世代による強い1次電弱相転移の可能性を検討した. 重い第4世代クォーク・レプトンが存在し, その真空凝縮(あるいは質量)が, SU(2)×U(1)ゲージ対称性の自発的破れのオーダーパラメータの役割を果たすと考えられる状況では, 真空の量子的揺らぎを記述する低エネルギー有効理論には, 第4世代のクォークやレプトンの真空凝縮のそれぞれに対応するように複数のヒッグススカラー場の導入が必要になると考えられる. このとき, 高温状態でのSU(2)×U(1)ゲージ対称性の回復にともなう相転移は, Coleman-Weinberg機構によって, 1次相転移になる可能性がある. この"第4世代による1次電弱相転移の可能性"を, 有限温度場の量子論におけるone-loop近似の有効ポテンシャルを用いて半定量的に解析した. ヒッグススカラー場の複合粒子条件を課さない場合には, 260GeVを超える質量をもつ第4世代クォークが存在しても, Electroweak Baryogenesisに必要な程度の強い1次相転移が起こりうる. しかし, 複合粒子条件を課す場合には, 1次相転移は弱くなる傾向にあることが明らかになった。

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi