研究課題/領域番号 |
20041009
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研究機関 | 群馬県立ぐんま天文台 |
研究代表者 |
衣笠 健三 群馬県立ぐんま天文台, 観測普及研究係, 専門員(観測普及研究員) (00356130)
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研究分担者 |
西原 英治 群馬県立ぐんま天文台, 観測普及研究係, 専門員(観測普及研究員) (60356128)
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キーワード | 光学赤外線天文学 / ガンマ線バースト / 早期観測 / 小型望遠鏡 / 自動観測 / 赤外線測光観測 / 小型赤外線カメラ |
研究概要 |
本研究は、ガンマ線バースト(GRB)の発生報告に伴い、自動化した小型望遠鏡によって発生直後からの赤外域での測光観測を行うことにより、その赤方偏移に制限をつけ、可視光にて残光が検出されない「暗黒GRB」に迫ることを目的としている。これらの観測研究を行うにあたって、以下の作業を行った。 1.小型赤外線カメラ、Jバンドフィルターの導入とカメラ制御ソフトの開発 天文観測において一般的な赤外線カメラは、口径1m以上の大型望遠鏡に搭載された比較的大型なものであるが、今回導入したものは、観測波長域はJバンドのみと制限はあるものの、10cm程度のサイズと1.8kg程度の重量といった30cmクラスの小型望遠鏡でも十分搭載可能なものであり、かつ、USBといったインターフェイスや電子冷却を使ったものであるため、取り扱いや操作も容易である。これらの特徴を活かし、GRBの自動追観測を行うための制御ソフトの開発を行った。 2.小型赤外線カメラによる観測を行うための性能評価 実際に得られたデータから物理的に意味のある数値を導き出すためにカメラの性能評価を行った。具体的には、カメラの冷却性能、ノイズや安定性、さらに、実際の観測における検出限界について評価を行った。それによると、当初の見積より1等程度深いところまで観測可能であることがわかった。 以上の結果に基づき、運用を開始した。しかしながら、結果的には天候やGRBの出現のタイミングなどにより、観測が可能なGRBは出現しなかった。しかしながら、運用体制を維持しつつ、望遠鏡やカメラをより扱いやすいものとしながら、観測を継続していくつもりである。 上記の研究経過や赤外線カメラの性能評価の詳細について日本天文学会の年会にて報告を行った。
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