研究課題/領域番号 |
20043023
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
橋本 修一 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (70208445)
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研究分担者 |
松尾 繁樹 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (20294720)
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キーワード | プラズモン / 金ナノ粒子 / ガラス / エッチング / レーザー加工 |
研究概要 |
本研究では、金属ナノ粒子による増強電場を利用して、透明材料のレーザー加工に関して、これまのフェムト秒レーザーをナノ秒レーザーで置き換えたり、あるいは、ナノ秒レーザー加工のしきい値を下げるための検討を行った。究極的には、CWレーザーやXeランプ等の定常光源を利用できれば、フォトンコストを著しく下げることが可能である。クエン酸還元法により作製した20-100nmの金ナノ粒子をアミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS)で処理したガラス基板にほぼ一層のせた。これに、波長532nmのナノ秒パルスレーザー光を照射し、その変化をUV-Visスペクトル、AFMおよびSEM観察により調べた。AFM画像によれば、粒子の会合は起こっていないにもかかわらず、スペクトルにはプラズモンバンドに加えて、ギャップモードに起因する長波長側の吸収が見られた。レーザー照射により金粒子の細分化がおこり、同時に、ガラス表面にナノスケールに穴が形成されることがわかった。Fig.1は70nmの金粒子膜の場合に540mJ/cm2のフルエンスで600ショット照射したときのナノホール形成を示す。ナノホールの形成が起こるためには、金粒子が基板上に密に配置される必要がある。また、粒子サイズが大きいほどできやすく、閾値のフルエンスも下がる。ナノプラズマによる高温状態の発生やギャップモードが形成に関与している可能性がある。今後は、まず、レーザー照射後の基板表面がウェットエッチングされやすくなる可能性について調べる。また、シリカガラスフィルム中の金ナノ粒子にレーザー照射しだ場合のガラス内部における加工の可能性を調べる。
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