研究課題/領域番号 |
20043024
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
岡本 敏弘 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (60274263)
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研究分担者 |
原口 雅宣 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (20198906)
福井 萬壽夫 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (70035632)
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キーワード | 局在表面プラズモン / 金属ギャップ / 非線形光学効果 / 第二高調波 / 光カー効果 / KTP / GaAs / 金 |
研究概要 |
金属ダイマーのナノギャップで生じる局在表面プラズモン(LSP)励起による電界増強効果を利用し、その周辺に配置した2次や3次非線形光学材料によって生じる第二高調波(SH波)や光カー効果の低入力パワー動作を実験的に証明するために次のことを行った。 1. 非線形光学効果を有する光一分子強結合反応場の作製 本特定領域研究内の微細加工グループの協力のもと、2次非線形光学材料のKTP基板、3次非線形光学材料のGaAs基板上に、金ダイマーをEBリソグラフィ技術で作製した。FE-SEM観察により、1辺80nm〜200nmの金ブロックのギャップ幅が5nm程度であることを確認した。また、顕微分光光学系を用いて1個の金ダイマーからの散乱光スペクトルを観測し、サイズの違いに応じたプラズモン共鳴スペクトルとなることを確認した。 2. 非線形光学特性の実験評価 波長900nmのチタンサファイアレーザ光(パルス幅100fs, 繰返し周波数82MHz)を入射光とし、暗視野顕微分光光学系を用いて、KTP基板上の金ダイマー1個で生じたSH波を観測した。SH波強度の金ダイマーの有無による違い、偏光依存性、サイズ依存性から、金ギャップ近傍のKTP内で励起されたLSPによる強い光電界によってSH波が生じたものと考えられる。しかし、基板と金の接触力を高めるために用いられている厚さ数nmのクロム層の存在により、金ダイマーのギャップとKTP基板との距離が離れてしまうことや、クロム層での光吸収があることが原因で、KTP基板内での光電界増強度が十分高められない問題があることが分かった。
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