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2008 年度 実績報告書

光反応性連続構造高分子を用いた光メカニカルシステムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 20044011
研究機関北陸先端科学技術大学院大学

研究代表者

金子 達雄  北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 准教授 (20292047)

キーワードクマル酸 / 光反応 / 光変形 / 高分岐高分子 / プラスチックフィルム / フォトクロミズム / エネルギー変換 / 光エネルギー
研究概要

光合成微生物が持つ光感知タンパク質の光反応中心として利用されているフォトクロミック分子であるクマル酸類を縮合重合して得られる主鎖型フォトポリマーの重合方法論を開発した。これらの高分子は全繰り返し単位主鎖中に連続的に光反応性基を有し、かつ剛直であるために光反応はそのまま物質の密度変化に影響を及ぼすと考えられる。そこで、平成20年度はクマル酸に特異的なE-Z異性化や[2+2]付加環化反応を、分子鎖間配列形態でコントロールし、連続的に起こる光反応を利用して光メカニカルシステムを確立することを目的として研究をすすめた。まずメタヒドロキシ桂皮酸およびカフェ酸を重合し、光反応性連続構造を持つ高分子を得た。分子量は25000程度であった。しかし、ポリカフェ酸に関しては分子量が5000000を超える超高分子量体が含まれることが分かった。これらは何れもトリフルオロ酢酸に溶解することが分かったので、キャスト法によりフィルムを作成した結果、透明なフィルムが得られた。そこで光変形挙動を調べた。ポリ(m-クマル酸)フィルムは高圧水銀灯照射により照射方向に対して反対側に屈曲した。これは、非晶性のフィルムであり、分子鎖間におけるπ電子の重なりが無く、E-Z異性化がフィルム表面で効率的に起こったことに依ると考えられる。一方、ポリカフェ酸のフィルムは照射方向に屈曲した。これは高分岐構造のために分子鎖同士が接する機会が増加し、二量化が起こる割合が増加したことに依ると考えられる。光変形により生じた力は10μN程度であり、プラスチックフィルムにおいて光を力学エネルギーへと直接変換するシステムを初めて開発したことになる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 数十億年を生きる光合成生物に学ぶ「光変形するプラスチック」の開発2008

    • 著者名/発表者名
      矢崎克明・金子達雄
    • 学会等名
      第6回積水化学自然に学ぶものづくりフォーラム
    • 発表場所
      積水化学工業株式会社京都研究所
    • 年月日
      2008-10-21
  • [学会発表] 植物性フォトクロミック分子鎖を用いた光メカニカル材料の作成2008

    • 著者名/発表者名
      金子達雄・鈴木拓也
    • 学会等名
      第57回高分子学会年次大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2008-05-28

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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