低分子ネマチック液晶にアゾベンゼン誘導体を添加した混合液晶を、パラレル配向処理したガラス基板上に塗布することで液晶薄膜を作製し、そこにポリスチレン(PS)微粒子を散布した。この試料にAr+レーザー光(488nm)および半導体UVレーザー光(375nm)を用い、PS微粒子に光が直接当たらないようにしながら、PS微粒子近傍に光照射した。Ar+レーザー光照射下では、PS微粒子は光から逃げるように動き、UVレーザー光照射では、光に近づくように動くことがわかった。 用いた照射光のビームサイズは直径1〜2mmであり、直径数ミクロンの対象物質に対してはかなり大きいものであった。そこで、より精密にコントロールするために、対象物質と同程度のサイズのビームを用いた。約8ミクロンのPS微粒子に対して、40ミクロン程度に絞ったUVレーザー光を照射したところ、レーザー光から微粒子が逃げるように運動する場合と、レーザー光照射域内にPS微粒子が捕捉できる場合があることがわかった。メカニズムは明らかではないが、どちらの状態でもレーザー光の移動とともに、微粒子も移動することがわかった。
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