ホウ素を用いた超伝導探索をすることがこの研究の目的である。そのため我々は基礎となるホウ素の相図の計算を既に終えて、試料作成に当る実験家に良い指標を提供している。特に高圧における超伝導探索にはこの相図が欠かせない武器となる。これによると高圧ではαホウ素が安定構造である。この相図予測に基づき、協力実験者のグループ(大阪大学、清水グループ)がαホウ素において、高圧で超伝導を発見したことが本年度の最大の成果である。さらに構造解析のグループ(岡山理科大、森グループ)によりαホウ素は200GPaまで安定であることが示され、我々の理論予測の正しさが裏付けられた。 我々は、さらに理論の立場から、じょうあつでは半導体であるαホウ素の金属化のメカニズムを研究し、現在投稿中である。こうした成果を共有するため超伝導探索に関するシンポジュウムを開催した。 また若手研究者を中心としてT_cの理論予測も行っている。そのため経験が深いフランスのグループ(NVast)と研究交流を行った。研究協力者である出倉春彦(大阪大学・大学院理学研究科・博士後期課程)をvastの下へ3ヶ月派遣した。
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