研究概要 |
Ce金属を30GPaでレーザー加熱して, Ceと超臨界窒素流体と反応させた回収試料のX線回折パターンはこれまで報告されているNaCl型相では同定できなかった. したがって, 得られたCe窒化物は新しい結晶構造のCe窒化物であることがわかった. また, この新しい窒化物は常圧下に回収できることがわかった. 以前に我々が報告した新しいLaの窒化物とX線回折パターンを比較したところ, これらは互いに異なる結晶構造であることがわかった. Pr金属を30GPaでレーザー加熱した後の高圧その場X線回折測定の結果, 得られたPr窒化物も新しい結晶構造のPr窒化物であることがわかった. また, この新しい窒化物も常圧下に回収できることがわかった. また, Ce窒化物と同様に, 以前に報告した新しいLaの窒化物とは異なる結晶構造であった. Gd窒化物とLu窒化物のX線回折測定の結果, 前述のCeやPrの窒化物, 以前に報告したLaの窒化物の結果と異なり, 新しい結晶構造の窒化物は合成されておらず, 従来報告されているNaCl型の窒化物が得られたことがわかった. さらに, Zr金属を約10GPaでレーザー加熱し超臨界水と反応させ, 常圧に回収した後にX線回折測定を行ったところ, Zr酸化物が合成されていることがわかった. また, 常圧相に加えて高圧相が混在していることがわかった. すなわち, 常圧相の単斜相のZrO_2と高圧相である斜方相のZrO_2の回折ピークが見られた. SEM観察の結果, フィルターのようなナノメートルサイズのスジ状という特異な形態を呈していることがわかった. その他の4族元素の金属と10GPaの超高温超臨界水との反応においても, 常圧相と高圧相の酸化物が同時に合成された. また, 得られた酸化物め形態は, ZrO_2の場合と同様にナノメートルサイズのフィルター状の様式を呈していた.
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