研究課題/領域番号 |
20048001
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
藤原 明比古 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 准教授 (70272458)
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研究分担者 |
仕幸 英治 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 助教 (90377440)
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キーワード | ナノチューブ・フラーレン / 電子デバイス・機器 / スピンエレクトロニクス / 物性実験 |
研究概要 |
本研究では、カーボンナノチューブを強磁性電極から直接成長させた電界効果トランジスタ(FET)を作製し、電場、磁場による伝導度制御を目的とした。カーボンナノチューブデバイスへの効率的な電荷注入、スピン注入の最適構造を明らかにし、π電子系デバイスへの設計指針を提案することが最終目標である。平成20年度は、1. 直接合成によるカーボンナノチューブFET作製、2. 作製したカーボンナノチューブFETにおいて、電場、磁場による伝導度制御を目指した。 1. 直接合成によるカーボンナノチューブFET作製では、Mo/Co薄膜を電極兼カーボンナノチューブ成長用触媒とし、アルコール触媒化学気相成長(ACCVD)法でカーボンナノチューブをデバイス内に直接合成した。これにより、直接合成法によるカーボンナノチューブFETの作製に成功した。 2. 作製したFETは両極性動作を示し、電界による伝導度制御に成功した。このデバイスの評価のために、様々なドレインソース電圧(V_<DS>)、ゲート電圧(V_G)に対するドレイン電流(I_D)の温度依存性から活性化エネルギー(E_a)を求めた。その結果から、簡単なデバイス作製方法にもかかわらずE_aは小さな値を示すことが明らかになり、直接合成により小さなキャリア注入障壁の実現に成功した。磁気輸送特性に関しては、電極の磁気特性が積極的に制御されていないデバイスにおいて、低温でのみ磁気抵抗効果が観測されている。現在、2つの電極の形状磁気異方性が異なるFETの作製に成功しており、次年度、積極的な磁気抵抗制御を行う予定である。
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