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2009 年度 実績報告書

電子顕微鏡イメージング法によるイネ萎縮ウイルスの吸着、複製、輸送時の構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 20051012
研究機関大阪大学

研究代表者

岩崎 憲治  大阪大学, 蛋白質研究所, 准教授 (20342751)

キーワードイネ萎縮ウイルス / 電子線トモグラフィー / 電子顕微鏡
研究概要

アァイトレオウイルスの生活環を構成する主要なステッフにおいて、昆虫細胞内でウイルスが構築する超分子構造の解明を目指し、本特定領域研究計画研究班員である大村敏博博士との共同研究のもと、3D電子顕微鏡イメージング法をウイルス感染細胞に適用した。本年度は、当初の計画にもあったRDVと同属のレオウイルス科Rice Gall Dwarf Virus (RGDV)について、その感染細胞内に共焦点顕微鏡や通常の透過型電子顕微鏡観察において興味深い超分子構造の存在が認められたため、3D電子顕微鏡イメージングによる解析を行った。RGDVを感染させた媒介昆虫細胞において、ウイルス複製部位であるバイロプラズムでは、ウイルスのコアタンパク質P5だけでなく、非構造ウイルスタンパク質であるPns7とPns12を含んでいることが、大村ら農研センターグループの研究でわかった。実際、微小管の脱重合剤の添加は、ウイルスと微小管との会合抑制し、ウイルスの複製に著しい影響を与えることなく、細胞からのウイルス放出を阻害した。RGDV感染媒介昆虫細胞のプラスチック切片の電子線トモグラフィーを行ったところ、微小管に沿って規則正しく並んでいるRGDVが認められた。本解析を行う上で、撮影時のデフォーカス量の検討を行ったところ、チューブリンに相当する球状体が認められるほど分解能を向上させることができた。また、トモグラムのスライス像は、微小管とウイルスとの間になんらかの分子が存在することを示唆するものであったが、同定までは当該年度にはできなかった。RGDVが感染細胞において観察されるミトコンドリア周辺へのウイルス粒子の特異的な集合状態を電子線トモグラフィーで三次元可視化したところ、ウイルス粒子とミトコンドリアの間には、隙間があり、直接結合しているのではないことが明らかになった。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Association of Rice gall dwarf virus with microtubules is necessary for viral release from cultured insect vector cells.2009

    • 著者名/発表者名
      Wei, T., Ichiki-Uehara, T., Miyazaki, N., Hibino, H., Iwasaki, K., Omura, T.
    • 雑誌名

      Journal of Virology 83

      ページ: 10830-10835

    • 査読あり
  • [雑誌論文] M36生物学における話題と電子顕微鏡2009

    • 著者名/発表者名
      岩崎憲治
    • 雑誌名

      日本結晶学会誌 51

      ページ: 70-71

  • [雑誌論文] イネ萎縮ウイルスのライフサイクルにおける超分子複合体の解析2009

    • 著者名/発表者名
      岩崎憲治、宮崎直幸、片山寿美枝、大村敏博
    • 雑誌名

      顕微鏡 44

      ページ: 82-86

    • 査読あり
  • [学会発表] 低温電子顕微鏡法における生体超分子複合体に対する電子線照射損傷の定量的評価2009

    • 著者名/発表者名
      葦原雅道, 加藤貴之, 藤井高志, 松波秀行, 宮田知子, 岩崎憲治, 難波啓一
    • 学会等名
      第47回生物物理学会年会
    • 発表場所
      アクティとくしま・徳島文理大学徳島キャンパス,徳島
    • 年月日
      2009-10-31
  • [学会発表] ラット肝臓由来ボルトの3.5A分解能での構造解析2009

    • 著者名/発表者名
      加藤公児, 田中秀明, 山下栄樹, 住澤知之, Yong Zhou, Min Yao, 岩崎憲治, 吉村政人, 月原冨武
    • 学会等名
      第47回生物物理学会年会
    • 発表場所
      アクティとくしま・徳島文理大学徳島キャンパス,徳島
    • 年月日
      2009-10-31
  • [学会発表] 媒介昆虫細胞内におけるRice gall dwarf virusのミトコンドリアへの局在2009

    • 著者名/発表者名
      清水巧, Wei Taiyun, 宮崎直幸, 一木(植原)珠樹, 日比野啓行, 岩崎憲治, 大村敏博
    • 学会等名
      第57回日本ウィルス学会学術集会
    • 発表場所
      都市センターホテル,東京
    • 年月日
      2009-10-26
  • [学会発表] Rice gall dwarf virusは、マイクロチューブルを介して昆虫細胞内を移行し細胞外に放出される2009

    • 著者名/発表者名
      一木(植原)珠樹, Wei Taiyun, 宮崎直幸, 日比野啓行, 岩崎憲治, 大村敏博
    • 学会等名
      第57回日本ウィルス学会学術集会
    • 発表場所
      都市センターホテル,東京
    • 年月日
      2009-10-26
  • [学会発表] 微小管とRice Gall Dwarf virus2009

    • 著者名/発表者名
      岩崎憲治, 宮崎直幸, Taiyun Wei, 一木珠樹, 日比野啓行, 大村敏博
    • 学会等名
      特定領域研究「生体超分子の構造形成と機能制御の原子機構」第5回ワークショップ
    • 発表場所
      湘南国際村センター国際会議場
    • 年月日
      2009-07-27
  • [学会発表] RDVおよびRGDVの細胞内輸送に関わる超分子構造体2009

    • 著者名/発表者名
      岩崎憲治, 宮崎直幸, Taiyun Wei, 日比野啓行, 一木珠樹, 大村敏博
    • 学会等名
      特定領域研究「生体超分子の構造形成と機能制御の原子機構」第6回公開シンポジウム
    • 発表場所
      千里ライフサイエンスセンター,大阪
    • 年月日
      2009-07-27
  • [図書] VIRUS REPORT2009

    • 著者名/発表者名
      宮崎直幸、岩崎憲治、大村敏博
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      医薬ジャーナル社
  • [図書] タンパク質をみる-構造と挙動-(長谷俊治・高尾敏文・高木淳一編)2009

    • 著者名/発表者名
      岩崎憲治、安永卓生、光岡薫
    • 総ページ数
      30
    • 出版者
      化学同人

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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