研究概要 |
細いフィラメントの原子モデルの精密化を行う。これらの研究を行うためのタンパク質は大腸菌またはディクチオ型粘菌で大量発現し精製できる。これらの構造データを統合するには, これまで目視によるドッキングが行ってきたが, 精密化・客観化を目指して, 高速回転関数法によるシステマティックなドッキングも行い, 通常の方法と比較するだけでなく, 両者の長所を併せ持てるような方法を構築したい。この際に蛍光共鳴エネルギー移動法(FRET)から得られる距離情報からイテラティブに蛍光団の三次元的位置を求めることができる距離幾何学法を開発した経験を生かし, FRETデータも取り込めるような新しいドッキング法を案出する。アクチン・フィラメントの三次元構造の高分解能化を実現するために、冷電界放出型電子銃からの高コヒーレンス電子ビームを用いたクライオ電子顕微鏡法で得たアクチン・フィラメントの高品質の電顕像を多数集め、単粒子解析法を用いて三次元再構成を行った。これまでの画像解析では, 9Aを越えており, 分子表面のαヘリックスを識別できるようになっていた。これを更に押し進めて, 画像解析に解像度を向上させた結果分子内部のαヘリックスも一部識別できるようになった。像のフーリエ変換強度からは6Aに対応する子午線反射が観察されており、画像解析法の工夫により、7Aよりも細部が可視化されに至っている。アクチンの機能と関係あるアミノ酸を改変して, その結晶構造を解いた。
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