研究課題
一定の機能をもった遺伝子群の発現制御機構の解明はポストゲノム時代の中心課題である。我々は、生活習慣病のsusceptibilityを規定する遺伝子の候補として、Sterol regulatory element-binding protein-1(SREBP-1)という転写因子に以前から着目して解析してきた。SREBP-1は、脂肪酸、トリグリセリド合成系の諸酵素の発現調節に最も重要な働きをしていると考えられている転写因子であり、炭水化物を脂肪へ変換して体内のエネルギー貯蔵を高める方向へと作用する倹約遺伝子のひとつとして注目されている。SREBP-1の標的遺伝子の発現調節機構の解明やその調節領域の多型性の解析はエネルギー代謝ホメオスタシスの生理機構、生活習慣病の病態いずれの理解にも重要である。SREBP-1が標的配列SREと結合し転写活性を発揮する際、他の共因子やDNA配列とどのように相互作用して転写効率が制御されていくのかそのメカニズムを探求していくことが我々のテーマであるエネルギー代謝制御の解明の第一歩と考えている。そのためには複数の転写因子間の相互作用やコファクターについて知見を深めていくことが必要である。またそれらの複合体形成因子は細胞・臓器特異的な存在様式をとっている可能性が高く、そういう観点からin vivoの臓器で検討を重ねる必要もある。本年度の研究実績として、in vivoの臓器での解析からSREBP-1cの遺伝子発現制御に重要なLiver X Receptorと相互作用する新たなタンパクを同定し、また、その分子がSREBP-1cを介してトリグリセリド合成系の調節にどのように関与するかを明らかにした。
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