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2009 年度 実績報告書

Gata1遺伝子発現の凍結と解凍のメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 20052007
研究機関筑波大学

研究代表者

小林 麻己人  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50254941)

キーワード転写制御 / 血球分化 / 遺伝学 / エピジェネティック / ゼブラフィッシュ
研究概要

本研究の目的は、多分化能をもつ未分化細胞が、どのように特定の細胞系列になる運命を獲得するかを明らかにすることである。題材として選んだのは、情報が豊富な赤血球分化であり、着目したのは、分化の実行部隊を指揮する「マスター型転写因子」Gata1の発現制御である。以前の研究により、血球前駆細胞におけるGata1遺伝子の発現が減弱する突然変異ゼブラフィッシュ系統を単離することと、その責任遺伝子がヒストン脱メチル化酵素Lsd1であることを同定することに成功した。初年度の成果により、Gata1は、その発現量に応じて、分化進行と細胞運命決定の二つの役割を使い分けることと、その制御にLsd1が働くことが示唆された。
本年度は、Lsd1の赤血球分化における作用点を明快にすることと、作用機序を明らかにすることを目的に研究を行った。その結果、次の2点が明らかになった。
1 作用点そのものは明快にできなかったが、各種Gata1-GFPレポーターフィッシュとの交配解析などにより、当初の予想と異なり、Gata1の発現制御には直接作用していない可能性が強くなった。赤血球-骨髄球前駆細胞の形成に障害がでているのではとの仮説を立てた。
2 作用機序に関しては、ドメイン解析の結果、意外なことに、赤血球分化にはLsd1のヒストン脱メチル化活性が必要ない可能性が浮かび上がった。Lsd1にはタンパク質脱メチル化活性以外の重要な機能があると予想された。残念ながら、その実体を同定することはまだできていない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Efficient transient rescue of hematopoietic mutant phenotypes in zebrafish using Tol2-mediated transgenesis2010

    • 著者名/発表者名
      Takeuchi, M.
    • 雑誌名

      Dev.Growth Differ. 52

      ページ: 245-250

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The keratin-related Ouroboros proteins function as immune antigens mediating tail regression in Xenopus metamorphosis2009

    • 著者名/発表者名
      Mukaigasa, K.
    • 雑誌名

      Proc.Natl.Acad.Sci.USA 106

      ページ: 18309-18414

    • 査読あり
  • [学会発表] An easy and effective approach to rescue zebrafish mutant phenotypes via transient transgenesis using Tol2 constructs2009

    • 著者名/発表者名
      竹内未紀
    • 学会等名
      第32回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20091209-20091212
  • [学会発表] Tol2システムを利用した一過性レスキュー解析2009

    • 著者名/発表者名
      竹内未紀
    • 学会等名
      第15回小型魚類研究会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20090912-20090913
  • [学会発表] Mutation of the lysine-specific demethylase 1 gene causes lineage-specific defects in zebrafish hematopoiesis2009

    • 著者名/発表者名
      竹内未紀
    • 学会等名
      日本発生生物学会第42回大会
    • 発表場所
      新潟
    • 年月日
      20090528-20090531
  • [学会発表] 赤血球系列への分化が滞る突然変異ゼブラフィッシュ2009

    • 著者名/発表者名
      竹内未紀
    • 学会等名
      平成21年度日本生化学会関東支部例会
    • 発表場所
      つくば
    • 年月日
      2009-06-20

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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