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2009 年度 実績報告書

炎症シグナルによる未知核内受容体転写抑制メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20052010
研究機関群馬大学

研究代表者

北川 浩史  群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (20345234)

研究分担者 武山 健一  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 講師 (30323570)
キーワード核内受容体 / 炎症シグナル / グルココルチコイド / クロマチン / 転写制御
研究概要

本研究では炎症制御の中核を担っているグルココルチコイドレセプター(GR)による転写因子AP-1の転写抑制メカニズムに関与するタンパク複合体の同定と機能解析を中心に炎症反応における核内受容体のシグナル依存性機能制御メカニズムの解明を目指した。サイトカイン分泌を制御する転写因子AP-1,NF-kBは様々な炎症関連シグナルによる制御を受けている。一方で、GRのリガンドであるグルココルチコイドの主な炎症抑制メカニズムは、これの転写因子を抑制することである。本研究においては、GRによるAP-1に対する転写抑制メカニズムに焦点を絞って解析を行ったが、その結果GRを介するグルココルチコイド依存性のAP-1タンパク(c-Jun)のSumo化がこの転写抑制のスイッチの役割を果たしていることを明らかになった。さらにそのSumo化を契機としてSumo化されたAP-1タンパクを認識する形でヒストンH3K27をメチル化するヒストンメチル化複合体PRC2複合体の構成因子EZH2がリクルートされることを明らかにすることができた。この一連の転写抑制メカニズムは、GRのリガンド依存性のSumo化に依存しており、Sumo化されないGRは転写抑制に寄与することができないことが判明した。以上のことからGRによる転写抑制にはGRの未知の役割が必要であることが明らかになり、ヒストンメチル化を介する可逆的なクロマチン構造の変化が炎症を制御している可能性をも示すことができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Phosphorylation of Williams syndrome transcription factor by MAPK induces a switching between two distinct chromatin remodeling complexes2009

    • 著者名/発表者名
      Oya H., et al.
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry 284

      ページ: 32472-32482

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Distinct function of 2 chromatin remodeling complexes that share a common subunit, Williams syndrome transcription factor(WSTF)2009

    • 著者名/発表者名
      Yoshimura, K., Kitagawa, H.(equal contribution), et al.
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci USA. 106

      ページ: 9280-9285

    • 査読あり
  • [雑誌論文] GlcNAcylation of a histone methyltransferase in retinoic acid-induced granulopoiesis2009

    • 著者名/発表者名
      Fujiki, R., et al.
    • 雑誌名

      Nature 459

      ページ: 455-459

    • 査読あり
  • [学会発表] グルココルチコイドレセプター(GR)による炎症制御メカニズムの解析2009

    • 著者名/発表者名
      北川浩史
    • 学会等名
      第17回日本ステロイドホルモン学会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2009-11-14

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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