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2008 年度 実績報告書

腋芽伸長と通気組織形成を制御する膜輸送系の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20053003
研究機関帯広畜産大学

研究代表者

加藤 清明  帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (60271748)

研究分担者 中園 幹生  東京大学, 農学生命科学部, 准教授 (70282697)
キーワード腋芽伸長 / 通気組織 / 嫌気ストレス
研究概要

腋芽の伸長は、イネ科作物の分げつ数と関連ずる重要な農業形質である。また、通気組織は、イネが湿地で生育する上できわめて特異的な形質で他の作物への応用を考えると重要なイネの形質といえる。両形質の発現コントロールは環境に応答した遺伝子発現ネットワークの制御下にあると考えられているが、その分子的基礎は未解明である。当初、我々は腋芽伸長に必須なハーフサイズのABCタンパク質を発見し、タンパク質の1アミノ酸置換した変異体rcn1では、腋芽伸長が著しく抑制され、出穂時でも分げつが1本以下となることを報告した。また、rcn1では根の酸化力の低下を示唆する硫化鉄の沈着が著しかったことから、Rcn1の根の酸化力への影響を推定した。ただし、エアレーションした好気条件でも腋芽伸長が抑制されたことから両形質の発現の関連性は低いと考えられた。ハーフサイズのABCタンパク質がホモ二量体かヘテロ二量体で機能することを考慮すると、Rcn1の機能解明には二量体のパートナーの同定が必須となる。本年度は、相互作用するABCタンパク質候補を選定することを目的として、rcn1の腋芽でのABCタンパク遺伝子の発現を解析した。その結果、Rcn1のフィードバック制御下にある2種類のハーフサイズのABCタンパク質遺伝子を同定した。現在、Rcn1とこれら2種のABCタンパク質の相互作用の検討を進めている。また、本年度はrcn1と野生型の通気組織形成能を評価するための実験系を確立した。この実験系では嫌気ストレス処理後24時間で野生型では通気組織の形成が誘導されるが、rcn1では少なくとも処理後72時間まで通気組織が誘導されなかった。現在、実験系における種々の細胞内の変化の組織学的解明を進めている。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Rice shoot branching requires an ATP-binding cassette subfamily G protein2009

    • 著者名/発表者名
      Yasuno N, I. Takamure, S. Kidou, Y. Tokuji, A. Ureshi, A. Funabiki, K. Ashikaga, U. Yamanouchi, M. Yano, and K. Kato
    • 雑誌名

      New Pytologist 182

      ページ: 91-101

    • 査読あり
  • [学会発表] イネの分げつ伸長に関与するRcn1遺伝子の同定2009

    • 著者名/発表者名
      加藤清明, 安野奈緒子, 高牟礼逸朗, 木藤新一郎, 得字圭彦, 嬉杏奈, 船引厚志, 足利和紀, 山内歌子, 矢野昌裕
    • 学会等名
      日本育種学会
    • 発表場所
      つくば国際会議場(ポスター発表)
    • 年月日
      20090328-29
  • [学会発表] イネの根の発達に関与するRcn1遺伝子2009

    • 著者名/発表者名
      嬉杏奈, 木藤新一郎, 安藤美保, 塩野克宏, 中園幹生, 得字圭彦, 木下幹朗, 高牟礼逸朗, 加藤清明
    • 学会等名
      日本育種学会
    • 発表場所
      つくば国際会議場(ポスター発表)
    • 年月日
      20090328-29
  • [学会発表] イネの耐湿性に関与するABCトランスポーターの機能解析2009

    • 著者名/発表者名
      安藤美保, 塩野克宏, 士反伸和, 長野稔, 高橋宏和, 中村元昭, 阿部淳, 川合真紀, 内宮博文, 堤伸浩, 高牟礼逸朗, 西澤直子, 矢崎一史, 中園幹生, 加藤清明
    • 学会等名
      日本育種学会
    • 発表場所
      つくば国際会議場(ポスター発表)
    • 年月日
      20090328-29
  • [学会発表] イネの側根伸長を制御するRCN1/OsABCG52009

    • 著者名/発表者名
      嬉杏奈, 木藤新一郎, 安藤美保, 塩野克宏, 中園幹生, 高牟礼逸朗, 加藤清明
    • 学会等名
      植物生理学会
    • 発表場所
      名古屋大学(ポスター発表)
    • 年月日
      20090321-24
  • [学会発表] イネ少分げつ変異体rcn1の根の形態形成2008

    • 著者名/発表者名
      嬉杏奈, 安藤美保, 塩野克宏, 中園幹生, 高牟礼逸朗, 加藤清明
    • 学会等名
      第29回根研究集会
    • 発表場所
      千葉科学大学(ポスター発表)
    • 年月日
      20081107-08
  • [学会発表] イネの少分げつ突然変異体の形質発現と遺伝子マッピング2008

    • 著者名/発表者名
      加藤清明, アリヤラタナモジット, 大橋栄美子, 清水裕嗣, 勝又未久里, 徳井真由美, 目黒美生, 高牟礼逸朗
    • 学会等名
      日本育種学会
    • 発表場所
      滋賀県立大学(ポスター発表)
    • 年月日
      20081010-13
  • [学会発表] イネの少分げつ変異体rcn1の根の形態的特徴2008

    • 著者名/発表者名
      嬉杏奈, 高牟礼逸朗, 加藤清明
    • 学会等名
      日本育種学会・作物学会北海道談話会
    • 発表場所
      北海道大学(口頭発表)
    • 年月日
      2008-12-06
  • [備考]

    • URL

      http://www.obihiro.ac.jp/ichiran/kato_kiyoaki.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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