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2008 年度 実績報告書

土壌環境条件から根毛形態制御に至るシグナル伝達機構

研究課題

研究課題/領域番号 20053010
研究機関京都大学

研究代表者

青山 卓史  京都大学, 化学研究所, 准教授 (80202498)

キーワード根毛 / ホスホイノシチド / ホスファチジン酸 / 細胞形態形成 / ホスホリパーゼD / PIPキナーゼ
研究概要

PLDζ2遺伝子はリン酸欠乏条件下において転写レベルで著しい活性化を受ける。PLDζ2の生物学的機能を調べるために、その詳しい発現解析を行った。その結果、PLDζ2は通常の生育条件下においてラテラルルートキャップ細胞で強く発現することが判明した。ラテラルルートキャップ細胞は、根の重力屈性応答においてルートキャップで偏って分配されたオーキシンを細胞神長領域の表皮細胞へと輸送する径路となることが知られている。また、pldζ2変異体では根の重力屈性が弱まることが報告されているこのことから、PLDζ2がラテラルルートキャップ細胞においてオーキシンの極性輸送を促進することが強く示唆された。このPLDζ2のラテラルルートキャップ細胞での発現はABAによって促進された。このことはPLDζ2が根の水分屈性応答にも関わることを示唆している。これを支持するものとして、予備的な実験においてpldζ2変異体の根の水分屈性応答は野生型に較べて弱いことが明らかとなった。
phrlが変異体においてはPLDζ2のリン酸欠乏条件下における発現上昇が弱められる。また、PLDζ2のプロモーターにはPHR1結合配列が複数存在することから、その転写活性化にPHR1が直接関わることが考えられた。そこで、PLDζ2プロモーター中のPHR1結合配列の全に塩基置換を施した変異プロモーターを作成し、その活性を調べたところ、リン酸欠乏に対する応答性が完全に消失していた。これらのことは、PLDζ2プロモーターのリン酸欠乏応答はPHR1結合配列を認識する複数のPHR1ファミリー転写因子を介していることを示している。さらに、この変異プロモーターではオーキシンに対する応答性も著しく弱められていたことから、PHR1ファミリー転写因子がオーキシンのシグナル伝達径路下流にも位置することが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] SPOROCYTELESS modulates YUCCA expression to regulate the development of lateral organs in Aarahidopsis2008

    • 著者名/発表者名
      Li, L. et.al.
    • 雑誌名

      New Phytologist 179

      ページ: 751-764

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Targeted degradation of ICK/KRP6 by the RING type E3 ligases RHFla and RHF2a is essential for mitotic cell cycle progression during Arabidopsis gametogenesis2008

    • 著者名/発表者名
      Liu, J. et.al.
    • 雑誌名

      Plant Cell 20

      ページ: 1538-1554

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A genetic framework for the auxin/cytokinin control of cell division and differentiation in the root meristem2008

    • 著者名/発表者名
      Dello Ioio, R. et.al.
    • 雑誌名

      Science 322

      ページ: 1380-1384

    • 査読あり
  • [学会発表] Phospholipid Signaling in Root Hair Development2008

    • 著者名/発表者名
      Aoyama, T. et.al.
    • 学会等名
      The 9th International Congress on Cell Biology
    • 発表場所
      Seoul, Korea
    • 年月日
      20081007-10

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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