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2009 年度 実績報告書

イネのカリウム・ナトリウムイオン恒常性制御におけるイオン輸送体の生理機能

研究課題

研究課題/領域番号 20053012
研究機関神戸大学

研究代表者

仲山 英樹  神戸大学, 自然科学系先端融合研究環重点研究部, 特命助教 (30324982)

キーワードイネ / イオン輸送体 / カリウムイオン輸送 / ナトリウムイオン輸送 / カリウム飢餓ストレス / 塩ストレス / 分子育種 / タバコ培養細胞
研究概要

【研究目的】
植物の生産性を著しく減少させる塩ストレスの主要因であるNa^+毒性の分子機構を明らかにするために植物体内のK^+/Na^+輸送系の理解が必須である。本研究は、主要作物のイネに存在するHAK/HKT輸送体がK^+/Na^+輸送に果たしている役割を解明し、HAK/HKT輸送体を活用した耐塩性植物の分子育種を行うことを目的とする。
【結果と考察】
1. HAK輸送体ファミリーのクラスターIに属するイネHAK輸送体の解析
HAK輸送体ファミリーのうち、高親和性のK^+輸送能を有すると推定されるクラスターIに属するOsHAK1, OsHAK5, OsHAK16, OsHAK20, OsHAK21, OsHAK22, OsHAK27の7つのHAK輸送体遺伝子の発現様式を解析した。その結果、OsHAK5は、K^+欠乏やNa^+ストレス下の根において恒常的に発現していたが、葉ではK^+欠乏により発現が上昇した。OsHAK1とOsHAK16はK^+欠乏やNa^+ストレス下の根において発現が上昇した。
2. HKT/HAK導入による耐塩性植物の分子育種
これまでに、OsHAK5を過剰発現したタバコ細胞の耐塩性が向上することが明らかとなったが、現在、形質転換イネの作製を進めている。Na^+輸送体OsHKT2 ; 1とK^+輸送能を獲得したその点変異体OsHKT2 ; 1S88G、K^+輸送体OsHKT2 ; 2をそれぞれ過剰発現する形質転換イネを作出した。各形質転換イネのT2個体で低K^+(0.3mM)、高Na^+条件(50mM)において水耕栽培を行い、生育を調査した。高Na^+条件では、OsHKT2 ; 1S88G系統とOsHKT2 ; 2系統で他の系統よりも生長率が高かった。このことから、高Na^+条件では、OsHKT2 ; 1S88GやOsHKT2 ; 2が、直接または間接的にイネの耐塩性向上に寄与していることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Determination of the in vivo distribution of nuclear matrix attachment regions using apolymerase chain reaction-based assay in Arabidopsis thaliana.2009

    • 著者名/発表者名
      Tachiki, Kensuke
    • 雑誌名

      Journal of Bioscience and Bioengineering 108

      ページ: 11-19

    • 査読あり
  • [学会発表] K^+/Na^+輸送体HKT過剰発現イネにおけるK^+取込みと生育の促進.2009

    • 著者名/発表者名
      丹波奈津美
    • 学会等名
      日本植物細胞分子生物学会第27回大会
    • 発表場所
      日本大学生物資源科学部湘南キャンパス(神奈川県)
    • 年月日
      2009-07-31
  • [図書] カリウム/ナトリウム輸送体を利用した植物分子育種.「吉田和哉名誉監修,植田充美,福崎英一郎監修 第二世代バイオ燃料の開発と応用展開」2009

    • 著者名/発表者名
      仲山英樹
    • 総ページ数
      (83-94)239
    • 出版者
      シーエムシー出版

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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