研究課題
1. アブシジン酸輸送を司るトランスポーターに関する研究アブシジン酸は重要な植物ホルモンの一種であり、abiotic stress response, seed maturationなど広範な生理機能を制御している。アブシジン酸はvascular tissueで生合成され他の組織に輸送されることがわかっているが、その機構はわかっていなかった。今回、理研の篠崎教授と黒森研究員との共同研究として、アラビドプシスのABCtransporterの一種AtABCG25がATP依存的にアブシジン酸を輸送することを見いだした。初めてのアブシジン酸トランスポーターの発見であり、一月中にPNASで公表された。2. アラビドプシスPHP4ファミリーの機能解析PHP4は動物のSLC17ファミリーに近縁のトランスポーターファミリーであり、リン酸を輸送することが知られている。我々はSLC17ファミリーもリン酸を輸送するが、この活性は人工産物であり、生理的には種々の神経伝達物質の小胞型トランスポーターあるいはアニオン性薬物の尿中排出を司るトランスポーターであることを示してきた。この結果を考慮すると、PHP4におけるリン酸輸送活性も人工産物であり、真の活性は不明のままである可能性があった。このことを追求するために、理研よりアラビドプシスのPHP4ファミリーcDNAsを提供いただき、発現系を構築した。現在、精製トランスポーターの輸送活性を測定中である。植物における情報伝達物質のトランスポーターである証拠が得られつつある。
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