研究課題/領域番号 |
20053017
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
日び 隆雄 福井県立大学, 生物資源学部, 准教授 (00285181)
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研究分担者 |
海藤 敏雄 公立大学法人福井県立大学, 生物資源学部, 准教授 (80185701)
白井 理 京都大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (40355011)
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キーワード | 膜輸送 / 電位依存性チャネル / 膜タンパク質 / リン脂質 / 界面活性剤 |
研究概要 |
シロイヌナズナでは、気孔が開く際に細胞内へのK+の選択的透過を担う電位依存性K+チャネルとしてMT1(分子量78k×4)が知られる。植物イオンチャンネルの立体構造及びその機能相関の解明は、植物の環境適応における膜輸送系の機能分化を理解するための鍵となる。昨年度KAT1の精製法を確立したことから、本年度はその機能解析と結晶化に取り組んだ。 電気化学セルを仕切るリン脂質平面二重膜(BLM)上に、リボソーム法を用いて精製したKAT1を再構成し、その単一チャネル電流の測定を行なった。一つのチャネルの開閉に対応すると考えられるステップ一つ分の電流変化は既報のパッチクランプ法により測定された単一チャネル電流の大きさとほぼ一致することが確認された。また、可溶化・精製したKAT1が活性を有することも確認できた。 一方、スパースマトリックス法による結晶化スクリーニングを実施したが、精製した標品は凝集しやすく、結晶化溶液中での安定性を改善する方法を検討することが必要となった。膜タンパク質の立体構造の安定化には膜リン脂質との特異的な結合が重要な役割を果たすことが知られている。精製KAT1に結合しているリン脂質を抽出し二次元薄層クロマトグラフィーで同定を行った結果、KAT1に結合しているリン脂質の種類は置換する界面活性剤よって異なることが判明した。現在、安定化に寄与するリン脂質の同定に取り組みながら結晶化のスクリーニングを進めている。
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