研究課題/領域番号 |
20054015
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
住本 英樹 九州大学, 医学研究院, 教授 (30179303)
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研究分担者 |
鎌倉 幸子 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (80398081)
武谷 立 九州大学, 医学研究院, 講師 (50335981)
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キーワード | 蛋白質 / シグナル伝達 / 発生・分化 / 細胞極性 |
研究概要 |
細胞の極性形成を制御する蛋白質複合体として、Par6、atypical protein kinase C(aPKC)、Par3からなる3者複合体(Par complex)が知られており、ほ乳類上皮細胞においてはPar complexは極性形成とそれに続くタイトジャンクション(TJ)の形成に必須である。Par complexに加え、低分子量G蛋白質であるRacおよびCdc42は、Par6に結合し、細胞極性形成に必須の役割を果たすと考えられているが、これら蛋白質がどのように働くのかはよく分っていなかった。 私達は、Par6に結合する蛋白質を同定するためにyeast two-hybrid法を用いたスクリーニングを行い、新規蛋白質Par6BP1(Par6-binding protein1)を見い出した。Par6BP1は、Par6のCRIB-like motif及びPDZドメインを含む領域(CRIB-PDZ領域)に直接結合し、Par6-aPKCと3者複合体を形成する。哺乳類上皮細胞の極性形成においては、polarityの方向性(apical pole orientation)が決定された後にpolarityのestablishmentがおこるとされている。私達は、orientationの決定には適切な量のRacが作用することが、一方establishmentの過程には適切な量のCdc42が作用することがそれぞれ重要であることを示し、さらに、Par6BP1は、おそらくRacやCdc42の正しい位置への移行を担うことで、上皮細胞のorientation及びestablishmentの両方の過程を制御することを明らかにした。
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